FUJIROCK EXPRESS '19

LIVE REPORTFIELD OF HEAVEN7/27 SAT

EGO-WRAPPIN’

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Photo by MITCH IKEDA Text by あたそ

Posted on 2019.7.28 04:12

2日目の夜は、歌って踊って飛び跳ねて、誰よりも強く強く愛し合いたい!

サポートメンバーとともに定刻よりも少し早く登場するEGO-WRAPPIN’の2人。準備をしながら、「ええ天気やな」と陽気な関西弁を発している。周りを見渡せば、全員がずぶ濡れのレインコート。空を見上げれば、重い雨が降り続いている。
しかし、2日目のトリを務めるEGO-WRAPPIN’には、天気なんて関係ない。どんなにひどい雨だったとしても味方につけてしまうのだろう。

まず演奏されるのは、今年の5月に発売された『Dream Baby Dream』から“Arab no Yuki”。マイクスタンドに取り付けられた赤いライトが印象的に光り、サックスとトランペットがタイトル通りのアラビックな雰囲気を演出している。ハツラツと歌いながらステーを左右に動く中納良恵 (Vo.)。イエローの一風変わったデザインの衣装もかわいらしい。スモークも焚かれ、ロマンチックだった。
次は、トランペットソロが一層ヘブンのステージにムーディーな雰囲気を演出し、盛り上がりを見せた、“裸の果実”。赤いライトを持ち、中納を身体いっぱい自由に踊らせるサウンドには、さすがフジロック9度目の出演!常連者の余裕や貫禄すら見える。

「もっとびしょびしょにしますからね!」というMCを挟み、サックスとトランペットが織りなす情熱的なサウンドの“BRAND NEW DAY”と“PARANOIA”が、更に苗場を躍らせる。手を左右横に振り、飛んだり跳ねたり。中納のノリノリなダンスもさることながら、観客たちを全員巻き込んだキャバレーでのショーでもあった。

先ほどまでの躍らせる曲たちのあとには、「愛しています!」と声高らかに中納が告げ、“a love song”。歓声が上がる。ゆったりとしたメロディーに力強い歌声には、惚れ惚れとしながら聴き入ってしまう。ああ、一体あんな小さく、細い身体のどこに、こんなにも強いエネルギーが秘められているのだろう。
その次に演奏された“on this bridge”は、森雅樹 (Gt.)のセクシー全開のギターサウンドに簡単なパーカッションのみ。そこに駆けるようなピアノが加わり、しっとりと、落ち着きながら聴くことのできるナンバーが続いた。

さて、休憩は終わり!と言わんばかりに、“サイコアナルシス”に“くちばしにチェリー”と、2日目の幕引きに向けて、更にヒートアップ!クラップ&ハンズに観客たちのコール&レスポンスもパーフェクト!頭と肩ののしかかるような雨は重い。けれど、その雨をも吹き飛ばすように踊り、飛び跳ね、どんどん加速していくように、会場が温められ、盛り上がっていく。

本編最後は“L‘amant”。歌詞に習い、「愛しています!」という中納。「私も!」なんて思わず叫んでしまいそうになる。改めて、こんなひどい雨のなかの苗場の山奥にも関わらず、ジャズサウンドに踊らされ、中納のエネルギッシュな歌声に聴き入ることのできるこのひと時は、絶対にさまざまな愛に満ち溢れていたのだと思う。
アンコールは、“GO ACTION”。おなじみのイントロに「GO ACTION!」の声とともに、大きな歓声があがる。管楽器メンバーがかわいらしく飛び跳ね、こちらも最後の力を振り絞るように大盛り上がり!そして、「誰よりも愛し合おうぜ!」と言い、高音がどこまでも響く、“サニーサイドメロディー”で2日目のヘブンステージは終わっていく。
1時間半の長いショーはあれだけ踊り、手を挙げ続けていたのに、見ている私たちにまでエネルギーを分け与えてくれたかのよう。ああ、なんて強い愛に満ちた空間だったのだろう!

[写真:全10枚]

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7/27 SATFIELD OF HEAVEN