FUJIROCK EXPRESS '19

LIVE REPORTGYPSY AVALON7/26 FRI

VenueVincent

  • VenueVincent
  • VenueVincent
  • VenueVincent
  • VenueVincent
  • VenueVincent
  • VenueVincent
  • VenueVincent
  • VenueVincent
  • VenueVincent
  • VenueVincent
  • VenueVincent
  • VenueVincent
  • VenueVincent
  • VenueVincent

Photo by 白井絢香 Text by 阿部仁知

Posted on 2019.7.26 18:40

太陽さえも味方につけたアヴァロンの奇跡

少し雨が降ろうかという午後のジプシーアヴァロンに現れた、東京の4人組、ヴェニュー・ヴィンセント。伊原“アニキ”広志と長崎真吾の奏でる、アコースティックギターのハーモニーを中心に、西岡ヒデローのコンガが彩るアコースティック編成なのだが、なんといってもタップダンサーのSAROが目を引いている。

コミカルな表情と踊りで笑いを誘いながらも、タップとハンドクラップでビートを刻んでいく。比喩でなく踊りから音が生まれていくその姿を見ていると、身体を使って音を鳴らすことの可能性に改めて気づかされる。アハ体験みたいなものだ。座っていた観客も徐々に立ち上がり、移動中の人達も賑やかなパーカッションに誘われてやってきたようだ。

繊細に爪弾くギターのアルペジオやピッキングハーモニクスと同様に、エコーの効いたフィンガースナップは苗場の自然から出てきたように響く。かと思えば、フラメンコのような香りを漂わせるリズムの応酬と、荒弾きギターストロークで情熱的に盛り上げていく。気づいたら踊っている人だらけ。そして、盛り上がりを見計らっているかのように彼らを照らしたり引いたりする太陽。太陽神西岡ヒデローの御力なそうだが、あまりにもぴったりとハマっていて、神々しくすらも思えてきた。

最後にはSAROと西岡がハンドクラップをしながら客席に乱入。オーディエンス全員を巻き込んで、さながらダンスフロアのような盛り上がりを見せるジプシーアヴァロンは、最初は座る人がまばらにいる程度だったのが嘘のようだ。気のいい兄さんのような親しみやすさと圧巻の技巧で、リアルタイムに熱狂が伝染していく、実にフジロックらしいステージだった。

[写真:全7枚]

TAGS
7/26 FRIGYPSY AVALON