LIVE REPORTRED MARQUEE8/20 FRI
SUMMIT (PUNPEE, GAPPER, OMSB, MARIA, SIMI LAB, DyyPRIDE, BIM, VaVa, in-d, C.O.S.A. × KID FRESINO, BLYY, TWINKLE+)
それぞれの矜持とフロアへの愛情溢れる、美しきパーティーがここに!SUMMITに心からの拍手を!
「Summit連合Avalanche傑作」。最後に披露した“THEME SONG”がすべてを象徴していた。総勢20人を越えようかというラッパーたちが矢継ぎ早に入れ替わっていくステージの中で、ひとりひとりが自分自身をフジロックに刻みつけるSUMMITの面々。バチバチに主張する中でも全員がひとりを讃え、ひとりが全員を鼓舞する。そんなバイブスをじりじりと積み上げていった末の、全員が出揃った最終幕の壮観さといったら…。KID FRESINOのステージでも同様のことを感じたものだが、SUMMITはクルーひとりひとりの愛とリスペクトが溢れていて、ヒップホップが集結したこの日のラインナップの集大成といえる素晴らしいパフォーマンスだった。
シーンを代表するスターたちが名を連ねる、ヒップホップ・レーベルSUMMIT。その面々が一堂に会するというのだから、これは見逃せない。そこにあるだけで圧倒されそうな6台のDJセットに、期待感が渦巻くレッドマーキー。MPCプレイやスクラッチなどDJの面々がそれぞれの技を披露するイントロセクションの後、まずはPUNPEE、OMSB、GAPPERの“Life Goes On(あんじょうやっとります)”で賑やかなパーティーのはじまりだ!
続いて登場するのはヒップホップユニットSIMI LABの面々。「パーティーする準備はできてる?」と投げかけるMARIAだが、「身振り手振りでコミュニケーションしていこう」とオーバーヒートしそうな気持ちへの配慮もバッチリだ。“Uncommon”にMARIAをフロントに据えた“You Look Fun”、DyyPRIDEの“横浜Sky”と立て続けに披露する中でも、決まった振り付けではなくそれぞれがステージ上で自由に振る舞う姿がなんとも開放感にあふれている。フロントのひとりひとりの名前を表示するスクリーンもはじめて観る人も多いであろうフジロックのオーディエンスにフレンドリーで、フロアは思い思いのノリに身を任せていた。
世間へのある種の諦念を猛々しいラップに乗せるOMSBの“Naruhodo”。慎重に言葉を選び続けた末に息が詰まってしまうような昨今の時勢の中でも、ここでは素直に言葉を刻んでいく姿がとても清々しい。それにしたって登場する面々ごとに手を振り上げて湧き上がるオーディエンスの顔ぶれがが微妙に違っているのが面白い。ラップのキレが際立ったBLYYの面々の“Papersoul”に、TWINKLE+の面々とともに再びMARIAがフロアを賑わせた“There is…”でも思い思いのフィーリングが交錯していく。
それぞれの演者の熱心なファンはもとより、予習しようともしきれない圧倒的なディスコグラフィーから知らない曲が流れていたとしても、ただサウンドに身を任せているだけでとにかく楽しい。それだけに10周年を迎えたSUMMITのスペシャルなパーティーを心待ちにしていたであろう、往年のヘッズの感慨は計り知れない。様々な思いが溢れんばかりで、なんと美しいフロアだろう。
そして一言一言聞かせるようなラップを繰り出すC.O.S.A.の“Cool Kids”に続いて、先程ホワイトステージで圧巻のパフォーマンスを披露したKID FRESINOを交えた“LOVE”。2人の友情とダンスフロアの刹那の感傷が溢れる掛け合いは、なんともエモーショナルにレッドマーキーを包み込む。でもパーティーはまだまだ続いていく。一転してヘヴィーなサウンドとドープなラップを刻む“NOISE SURFER MIND”をドロップしたJUBEEの面々にまたもやフロアは手を振り上げ、情感あふれるin-dの“On My Way”にBIMの“Bonita”とパーティーを彩るナンバーが惜しみなく投入されていく。
最後にはPUNPEE、OMSB、VaVaによる初披露の楽曲“Wheels”が三者三様のラップでフロアを更に押し上げ、このステージで育て上げてきたパーティーは“THEME SONG”で頂点に達する。熱心なヘッズからはじめて観るフジロッカーまで様々な人々を巻き込んだダンスフロアも大団円。個々人の矜持を存分に示しながらも、フロアへの愛とリスペクトを込めながらここにいる全員を讃える最高のパーティーを作り上げた、SUMMITの面々に心からの拍手を!
[写真:全10枚]