FUJIROCK EXPRESS '21

LIVE REPORTRED MARQUEE8/20 FRI

THE BAWDIES

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Photo by 古川喜隆 Text by 梶原綾乃

Posted on 2021.8.21 18:55

あのときを取り戻せ!

2007年のルーキーステージ出演から始まり、2010年のホワイト、2013年のグリーン、2016年のレッドマーキーとコンスタントに出演し続けているTHE BAWDIES。バンドも歴史を重ね、フジロックとの付き合いも長くなってきた彼らが、5年ぶりにここへ帰ってきた。また、9月には約2年ぶりとなるオリジナル・フルアルバム『BLAST OFF!』の発売も予告されている。転がり続ける彼らの今をひと目見ようとレッドマーキーへ向かった。

この日は新衣装のお披露目でもあった。斜めストライプのネクタイに、マスタードカラーがアクセントのジャケット&パンツを合わせた『BLAST OFF!』告知画像と同じものである。SEとともに大きな拍手で迎えられると、それに応えるようなROY(Vo,B)の咆哮。「あのときを取り戻しましょうか、あのときに戻りましょうか!」と、“LET’S GO BACK”からスタートした。暴れだしたり、しゃがんだりとJIM(Gt)の縦横無尽な動きを見ていると、かつてのライヴにおける自由さが、少しだけでも蘇ってきた。彼に負けじと、飛び跳ねたりステップしたり、思い思いに楽しんでいる観客たち。ただもちろん、声は出せないので、「心で一緒に歌ってください」とROY。それぞれの心の中で、大きな歌声が響き渡ったに違いない。

アクセル全開、アドレナリン出っぱなしのまま「遅れないでついてきてくださいね!」と“IT’S TOO LATE”。ROYのおなじみのハスキーな歌声と、最後のひび割れたロングトーンに、観客は終始痺れっぱなしだ。
「飛び上がれますか?」と煽るように始まった“YOU GOTTA DANCE”では、2人のギターと1人のベース、それぞれのソロパートがつながれていき、よりいっそうの盛り上がりを見せていく。

KEEP ON FUJI ROCKIN’であると同時に、これからのTHE BAWDIESも走り続けていくつもりだ、そんな意志を込めて新曲“OH NO!”へ。MARCY(Dr)のセカンドラインのリズムの上に、ソリッドなギターリフがきいた王道的ナンバー。最近の彼らを知らない人にとっても楽しめたはずだ。また、この日初めてプレイした“T.Y.I.A.”もまた、一度聞いたら忘れられない、ライヴ向きの爽快ナンバーだった。

MCでは、彼らが高校3年生のときに参加したフジロックからもう20年が経過しているという話題に。学生時代からの付き合いであるTHE BAWDIESの4人。長い想いと歴史を重ねたぶん、彼らにとってここが特別な場所であるということがよくわかる。それぞれの想いのかけ方は違うかもしれないけれど、観客の想いも同じ。フジロッカーが積み重ねてきた想いや経験が、この地に染み込んでいるのだろうという話になった。

そんな熱い語りに心をもっていかれたのもつかの間、「我々は“HOT DOG”という楽曲の準備にはいらせていただきます」と準備の末、謎の寸劇が始まったところからが今日のハイライト。スターウォーズにおけるルークとダース・ベイダーの戦いを模しているようで、ルークがROY、TAXMANがダース・ベイダー、JIMがヨーダに、MARCYがC-3POに扮している。これにはおそらく観客も「ここからどうやって曲に持っていくの……?」と戸惑ったことだろうが、突然のドッグパンが登場し、ライトセーバーが一体となってホットドッグが誕生(?)した。そこからの“HOT DOG”は、飛べや踊れやの大盛りあがり!軽快なドラミングに体ははずみ、ROYのシャウトに血が沸きあがる。彼らといえばこの曲を挙げる人も多いだろう、観客たちがこの曲との再会を喜びあっているようにも感じとれた。

その“HOT DOG”を皮切りに、後半戦は観客と怒涛の展開。「フジロックは世界に誇るお祭りですよね、祭りといえば打ち上げ花火!」「最高の打ち上げ花火をいただけますか?」と“SKIPPIN’ STONES”。みな、踊り疲れた足でもひたすらにジャンプをして、会場にたくさんの花火が打ち上がった。最後は“JUST BE COOL”で締め、最後の最後にメンバーによる「わっしょい!」の掛け声と観客のハンズアップで終了した。たくさんの手のひらが上げられていて、その間からは会場の光が漏れている。それはとてもきれいな光景だった。

今日のセットリストは、おなじみのナンバーを切り取りつつも、ここ数年の彼らの足跡をしっかりと辿ることもできる、バランスのよいものだった。結成20年はもうわずかの彼らが、これからも転がり続けていく様子を見守っていきたい。

[写真:全5枚]

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8/20 FRIRED MARQUEE