FUJIROCK EXPRESS '21

LIVE REPORTRED MARQUEE8/21 SAT

Mega Shinnosuke

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Photo by 白井絢香 Text by 阿部仁知

Posted on 2021.8.21 16:44

ありとあらゆる「楽しい!」が当たり前に同居する軽やかなフットワーク

朝一番の空気が気持ちいいレッドマーキーには、Mega Shinnosukeが登場!自身の楽曲だけでなくアートワークや映像制作にも携わりながら、菅田将暉への楽曲提供も注目を集める彼のパフォーマンスを観ようと、はやくからちらほらと人が集まりはじめる。まずはサポートのバンドメンバーがバンドセッションを繰り広げ、2人の覆面パフォーマーに続いてMega Shinnosukeも現れシームレスに“Thinking Boyz!!!”に移行。ラップ調のフロウが折り混ざる軽快なポップチューンは、掴みからインパクト十分だ。

「ロックンロールはダンスミュージックなのでみなさん踊ってください!」と投げかけ披露するのは“Sports”。sooogood!(Gt / Cho)のザラッとしたギターストロークや、GOTO(Dr)のパワフルなドラムが冴え渡るパフォーマンスに、思わず身体も動き出す。そして福岡の盟友クボタカイをフィーチャーした“兄弟”では「手を見せてよ、Hands Up!」とフロアを鼓舞し、ヒップホップのようなフィーリングがレッドマーキーを満たしていく。そもそもSNSネイティヴ世代の彼には、ロックだヒップホップだとあえて区別する感覚がないのだろう。軽やかなフットワークでただただ楽しいことを追求するクリエイター気質には思わず唸らされる。

昨今の時勢に想いを馳せながら「楽しいことを増やしていけば乗り越えていける」と語るMega Shinnosuke。そんなモヤモヤする気持ちが乗った“桃源郷とタクシー”は、この夏のハイライトといってもいい情感が溢れていた。躍動するKameyama Kenshiro(Ba / Cho)のベースに、見惚れてしまうギターソロ、長尺のアウトロでは「甘く熱い口づけを交わす」と即興でORIGINAL LOVEのフレーズを織り交ぜたりと、レッドマーキーは甘美な陶酔感に酔いしれる。それでもなお声をあげず身体で呼応するオーディエンスも最高だ。

どうやら楽屋でずっと「レッツゴーフジロック!」と言っているらしいが、はじめて来たというフジロックを存分に楽しんでいる様子がパフォーマンスからも伝わってくるようだ。レッドマーキーだから着てきたという赤いTシャツになぞらえ、大好きな服について歌った新曲“お洒落すぎてどうしよう”、キラーチューン“Sweet Dream”に続いて、最後はファンキーなフレーズが耳に残る“O.W.A.”。バンドメンバーに順々に見せ場を回しながら2人の覆面パフォーマーがそれを撮影したりと、最後まで自由奔放だったMega Shinnosuke。昨日の疲れも吹き飛ぶようなフレッシュなパフォーマンスに、朝から集まったオーディエンスも活力をもらったステージだった。

[写真:全10枚]

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8/21 SATRED MARQUEE