FUJIROCK EXPRESS '21

LIVE REPORTFIELD OF HEAVEN8/21 SAT

光風&GREEN MASSIVE

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Photo by 平川啓子 Text by 三浦孝文

Posted on 2021.8.21 15:31

いつでもどこでも、そこに集まったみんなで作るグッドヴァイブス!

 フジロック2021、2日目。昨日に続き、空は晴れ渡り、うだるような暑さだ。ここは、フィールド・オブ・ヘブン(以下ヘブン)。通常はハンドメイドなヒッピー文化を感じさせるお店が立ち並んでいるのだが、今年は一切ない。少し寂しく感じるが、ここに漂う自由でピースフルな空気感はやはり唯一無二。ステージで使用する電力はバイオディーゼル発電でまかなわれ、CO2排出量削減に取り組んでいて、フジロックが掲げる「自然との共生」を体現しているステージと言えるだろう。

 暑い昼下がりのヘブンに登場するのは、浜田光風(以下光風)率いるルーツロックレゲエバンドの光風&GREEN MASSIVEだ。これから、この天気の下、ここヘブンでレゲエを堪能するのだ。何て最高なんだろう。ステージ前方に風が心地よく吹き込む中、バンドメンバーが登場し、ゆったりとステージが開始。光風が”You rock so, you rock so. You skank so, skank so”とボブ・マーリー・アンド・ザ・ウェイラーズの”Lively Up Yourself”を思わせるフレーズを投げかけ場の熱をのっけから上げていく。軽快なスカナンバー”我解放”が飛び出すと、フロアの熱が一気に上がって、思い思いにダンスしている。みんなマーキングされた位置でしっかり距離をとりつつ楽しんでいる。制限やルールがある中でこそ、自ら前のめりに生み出して存分に楽しむのがフジロッカーだ。

 目頭を熱くさせるメロディの”十六夜月”と、まさしく今、この瞬間にぴったりの”八月”の絶妙な流れ。光風の心に響くような暖かい歌声に染み入ってしまう。

「声は出せないんでしょ。じゃあ手拍子で!」とオーディエンスとしばしのセッションタイムへ。「いいですね!これがグッドヴァイブスというんですよ!」と満を持して投下されたファンキーチューンの”Mosquito”。止まらない手拍子の心地の良いリズムが会場一帯にこだまする。間奏部からのギター、ベースのソロパート、ラスタマン節満載のトースティングの流れで、光風が権力に向かって中指を突き立てて、グルーヴの渦に叩き込んで締めくくった。

「声を出さなくてもみなさんのバイブスが伝わるよ!最高のバイブスをありがとう!」と”愛すべきこの世界”で、オーディエンスから贈られる止まらない拍手と、これぞヘブン!な笑顔あふれる最高にピースフルな雰囲気の中、ステージを後にした。

 フジロックのようなフェスティヴァルに限らず、あらゆる「表現」という世界が窮地に立たされている。今日ここで、彼らのステージを観て、あらためて自由な表現を止めてはいけないと強く感じた。こんなにも笑顔でいっぱいの平和な世界だ。たった今、できることは何か?演じ手たちも、その愛好家たちも、表現の土台をサポートする人たちもみんなで、今日ヘブンで創った「グッドヴァイブス」の可能性を探って前に進んでいくしかないのだ。

[写真:全10枚]

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8/21 SATFIELD OF HEAVEN