LIVE REPORTPYRAMID GARDEN8/22 SUN
クロワッサンサーカス
Photo by MITCH IKEDA Text by あたそ
Posted on 2021.8.22 21:23
変幻自在、自由自在!音と楽しむクロワッサンサーカスのアクロバティックな世界
定刻になり、ハットをかぶった5人のメンバーが登場する。コントラバス、ギター、トロンボーン、ドラムが位置につくと、メンバーひとりが韓国伝統音楽の太鼓を持ち、頭の白いリボンを回しながらステージを走り回る。
クロワッサンサーカスはただのサーカス団ではない。音楽にあわせて芸を行うため、一度で二度美味しいというか、音楽が好きである人こそ、楽しむことができるんじゃないかと思う。
メンバーが続々と出てきて、前方に位置する4人が台の上へと乗り、ダンスをしながら倒立を行う。時には身体が平行になるよう腕で支えたり、連なる障害物の上に乗って倒立をしつつポーズを取る、バランス感覚や重力はどうなっているのだろう。「おお!」という言葉が出せない分、大きな拍手が送られる。夢中になって彼らの芸を見かける子どもたちの表情もかわいらしい。
ちょっと間抜けで愉快な音楽に合わせてスティックで小さな傘を自由自在に操ったり、わざと失敗してみたり。ひとつの短い劇を見ているようでふふっと笑いそうになる。
お次は、ポールダンス。ゆっくりとしたメロディーのなか、ステージの端に立つポールに女性が昇り、自由に動いていく。時に上って降り、片腕や片足、到底人間には不可能であろうポーズで自身を支える。男性と2人でお互いに支え合い、ポーズを取る姿には人体の身体の仕組みを感じてしまう。正直に言ってしまえば、どのような仕組みになっているのか、まったく理解ができなかった。
そのあとは、横に置かれた円柱の上に置かれた板に立ち、足元ではバランスを取りながらのジャグリングが披露される。時には膝をついたり、逆立ちをしたりと自由自在にパフォーマンスを行う姿は目が離せなかった。
突然降り出した大雨のせいで、本来1時間あったステージが残念ながら30分程度で終わってしまう。苗場の天気は変わりやすい。仕方のないことではあるけれど、後ろ髪引かれる思いで雨宿りをする。「また来年、会いましょう!」という言葉通り、当たり前の日常を取り戻したフジロックで彼らの作り出すお洒落でノンバーバルなサーカスを満足のいくまで見たい。
[写真:全10枚]