MOREFUN - AREA REPORT 7/27 SAT
「時には黙って楽しむ!」はじめてのフジロック1日目レポート
景色は良いけども!
目が覚めたのは午前6時。アラームよりも1時間早く起きてしまったのは暑さのせいだ。昨夜はコロニーとまで呼んでいたテントが、今朝は蒸し風呂監獄状態。僕は外の世界を楽しみに、テントから飛び出した。
想像通りに外は絶景で、日光が朝露と大量のテントを照らす光景に思わずパシャリ。我ながら良い場所を選んだなぁと誇らしく思ったが、その考えの甘さこそがフジロック一年目だった。
僕はここから、歯磨きをするために麓まで降りなければならない。蛇口のある場所までは、およそ5分かかるため、それだけで汗をかく。意気揚々とテントを設営していた自分に説教をかましたいところだが、仕方なく朝からハードワークをした。(設営場所から程近い丘の上にも、蛇口があることを知ったのは、歯磨き中だった)
テントに戻った僕は、前日から着用していたTシャツをテントに縛り付けて干す。ハンドソープで洗っただけなので、臭いが取れるかはわからないが、これ以上テント内を悪環境にしたくはない。フジロックの猛者たちは、木に洗濯ロープを縛り付けて服を干している。フジロックに溢れる先人の知恵に関心するとともに、再び場所選びを悔やんだ。
フジロックに対するイメージ変化
そうこうしている間に時刻は11時。グリーンステージにてindigo la Endのライブが始まった。
驚いたのは、ステージからはかなり遠い場所でスタンバイしている人の多さだ。ライブなんて、近ければ近いほど良いと考えていた僕には、なぜそんなことを?と疑問が湧く。
そしてライブ終了まで、彼らはその場を離れることはなかった。日陰でくつろぐ姿を横目に、僕は音楽を求めて会場全体を歩きまわった。そして、とうとう歩き疲れてしまった17時ごろ。フジロックに対する一つのイメージが変わり始めた。
今日まで、僕にとってのフジロックは音楽を愛する猛者たちの集まる場所だった。つまり、フジロックには音楽を聴くことを目的に多くの人が集まっていると思っていた。
実際、それは正しいかもしれない。しかし、誤解を恐れずに言えば、フジロックは音楽を楽しみに訪れる場所ではない気がする。
フジロック1日目を歩きまわって感じたことは「もっとルーズでいいんだ」ということだ。ここで聴ける音楽は素晴らしく、多くの人が集う理由もわかる。
しかし音楽を聴くことに対して必死になりすぎるのではなく、時には寝転がって聴いてみたり、何かを食べながら聴いてみたり、なんならBGM扱いしてもいいのかもしれない。そんなことを、周囲の参加者たちを見ていると感じる。
実際、はじめてのフジロックだと張り切りすぎてしまい、少し具合が悪くなる瞬間もあった。それでは本末転倒だ。
身体を休めるためにも、先輩たちをお手本に一度寝転がってみた。すると、聴こえる音楽が心地良く、気づけば仮眠をしてしまうという、従来の自分だったら考えられない楽しみ方をしてしまった。
もしもここが海外のフェスだったら、仮眠なんてできるのかなぁ、なんてことを考えてみたりもする。
まだまだ慣れませんが!
おっと、いかんいかん。今はフジロックに集中だ。
仮眠のおかげで、THE KILLERSのライブも存分に楽しめた。嬉しいアンコールもあったけれど、アンコールはヘッドライナーだけのものなのだろうか。他のライブでは、アンコールを聴くことがなかったので、2日目に確認したいポイントだ。
そしてもう一つの確認したいこと。それは蝉の存在だ。
1日目はなぜか蝉の鳴き声が聞こえなかった。苗場では、蝉はまだ活動していないのか?それとも、生息していないのか?単に僕が気づいていないだけかもしれないが、もしかすると演奏のジャマをしないでくれたのかもしれない。(こんなことを言ってしまえる気分ということです)
新たな楽しみ方を習得した1日目。まだまだ慣れないことも多いけれど、2日目はどんなことが起こるだろうか。
前夜祭の記事はこちら
・すべてを受けいれる人生初フジロック!
書き手:浅野凜太郎
2024年に大学を卒業し、そのままフリーライターとして活動開始。ライターとしてもフジロッカーとしても一年目の自分だからこそ、感じるもの・書けるものがあると思っています。一番の楽しみはノエル・ギャラガーです!洋楽の世界に足を踏み入れるきっかけとなった兄貴とシンガロングしたいです!