FUJIROCK EXPRESS '24

LIVE REPORT - WHITE STAGE 7/28 SUN

TURNSTILE

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Posted on 2024.7.29 03:58

体力の限界まで祝え!この美しきカオスな瞬間を!

フジロックにハードコアバンドの出演が決定し、スタートを待ち構えているお客さんの多さを目にするたびに「一体この人たちは普段どこにいるんだ……!」と思う。2018年の来日以来約6年ぶり。更にはWHITE STAGEの大トリである。何か起こるんじゃないか。起こるに決まってるだろうが……!ついそう思いながら、不安定な小雨が降るなか、緊張感を漂わせたままステージを見つめる。

5分押しで照明と音楽が消えれば、会場からはあり得ないくらい雄々しい声が上がる。1曲目の“T.L.C. (TURNSTILE LOVE CONNECTION)”で、すでにフルスロットルだった。中央には見事なサークルモッシュができあがり、人が頭上をゴロゴロ転がっていく。重低音が身体に染み渡る。これだよ、これ!!!これを待ってたんだってば!大人しく聴いていられるはずなんてなかった。3日目の夜10時、疲労感が徐々に薄れていくのがわかる。
“Endless”、“Fazed Out”では、シンガロングも起こり、マイクスタンドを高く掲げるBrendan Yates(Vocals)のキャッチーな声が突き抜けていく。サポートメンバーのMeg Mills(Guitars)は2つのお団子にミニスカートを履いた小柄な女性であるけれど、どこにそんな力があるんでしょう?Pat McCrory(Guitars)に負けないパワフルなギターをかき鳴らしながら、揚々とステージを駆け回る。こうしてステージを眺めていると、全員キャラが立っていて、華があるなあと思ってしまう。

Brendanのアカペラから始まった“UNDERWATER BOI”、それから“DON’T PLAY”。“Drop”では、Brendanがステージを降り、ダイブをする場面を見ることができた。早いBPMにすべてがヘビーに響く演奏には再びサークルモッシュができあがり、思わず腕も上がる。もうすでに熱気が凄まじく、次の演奏を待っている間ですら声が止むことはない。更にはどんなタイミングでもシンガロングが起こるのだから、ここにいる観客がどれだけTURNSTILEのステージを求めているのかがわかる。
アルバム『Time&Space』から“Real Thing”と“Big Smile”の2曲が続く。Daniel Fang(Drums)とFranz Lyons(Bass/Vocals)の大振りなドラムンベースとラウドなギターにあわせて会場一体が飛び跳ねる。

こうしている間にもサークルモッシュがどんどん大きくなっていく。大合唱が起きた“Can’t Get Away”のあとはDanielのドラムソロを挟んでの“BLACK OUT”、“ALIEN LOVE CALL”。今回のセットリストってもう1秒でさえも休む暇を与えないくらいずっと飛ばし続ける内容で、1曲1曲も長くはない。それにも関わらず、Brendanの声がぶれることがまったくなければ、常にステージを動き回る他メンバーも軽々とした様子で演奏している。どこにそんな体力があるんだ。改めてライブバンドとしての底力を思い知らされた。

もうここで体力が尽きても悔いはない。“MYSTERY”では相変わらずの大合唱が起こり、ラスト“HOLIDAY”に差し掛かるころ、Brendanが「こっちに来いよ!」と言わんばかりの手招きをする。「Let’s celebrate!!!!」とも言っている。一瞬、どよめきが起こるなか、ああ、ステージに人が上がっている……まだ上がってる……まだ……え?まだ載せるの……?いやいや、流石にもう無理なんじゃない???と眺めていると、軽く100人くらいの観客がステージに上がってるのではないだろうか。なんだこれは!!最高じゃないか!!!!!人が多すぎて、もはやメンバーがどこにいるのかすらわからない。これ、終わったあと絶対に怒られる奴だ!!!盛大な紙吹雪も降り、すべてが面白すぎて笑ってしまう。
こんなWHITE STAGEは初めて見たし、大トリでしか見られない光景だったと思う。燃え尽きた!雨と汗と泥まみれだし、次の日には筋肉痛だろうけど、今年のフジロックも最高だったと思える。鳴りやまない、雄々しい「TURNSTILE!TURNSTILE!」が、このライブの美しいひと時を物語っているようだった。

[写真:全10枚]

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7/28 SUNWHITE STAGE