新生バトルス圧巻のライブを披露
2007年のフジロックのアクトを覚えている人も多いんじゃないだろうか。入場規制がかかり、その年のベストアクトと言う人もちらほらいたとか。その3年後の2010年、ヴォーカル、ギターなどを担当していたタイヨンダイ・ブラクストンが脱退を表明。当時、アルバム「Gloss Drop」の制作はすでに進んでいたのだが、彼の脱退により、残りの3人でまっさから作り直すという様々な視点から見ても注目の作品だ。そんな「Gloss Drop」を引っさげて新生バトルスとして今回グリーンステージに登場した。
バトルスを見る度にびっくりするのが、クラッシュシンバルの位置。ドラムのジョン・ステニアーのトレードマークとも言えるハイポジションのクラッシュ。あのドラムセットがステージに運ばれただけでも心が踊った人も多いのではないだろうか。そんなクラッシュシンバルに見とれて(?)いると、1曲目のスタート。Africastleだ。「Gloss Drop」の一曲目を飾るこの曲、予習して来た人も多かったのだろう。音が出たと同時に起こる歓声。みんな待っていたのだ。イアン・ウィリアムスのポジションには「ハ」の字型に置かれた鍵盤があり、それをダンスしながら鳴らすのだが、その弾き姿はなんとも言えない妖しさがあり、視覚的にもバトルスの世界に引き込まれる。今回のアルバムは様々なゲストミュージシャンが参加していて、最初に登場したのが、ブロンド・レッド・ヘッドのカズ・マキノだった。しかし本人では無く背景のLEDに映し出されただけだった。「Gloss Drop」の押し曲Ice Creamでもマティアス・アグアーヨ本人は登場せず、少し残念だったが、ヴォーカルのオーバーダブに映像を合わせるなどして楽しませてくれた。
ライブ中盤では、おなじみのAtlasを披露。日本人なら誰でも踊れるジョンのリズムと共にグリーンステージはダンスホールと化した。ステージ後方から見ていたのだが、阿波踊りを踊るようにみんな手を上に挙げて踊っていて、見ていて心地よかった。
今回3人で新生バトルスとしてのライブだったのだが、少し打ち込みが多くて生音をもう少し聞きたかったのと、ボアダムスのアイが見たかった!!
でも!でも!!でも!!!
やはり好きなんです、バトルス。次回のライブに全ての期待を乗せて楽しみに待つことにしよう。
あ!そしてジョン!!誕生日おめでとう!!!
文:丸山亮平
写真:熊沢泉 (Supported by Nikon)