かっこよさ1000%の2人
黒い背景幕に黒ジャケット、黒シャツ、黒パンツ…と黒、黒、黒のザ・キルズのステージ。相変わらずシンプルで何もない。
先日、ケイト・モスと挙式をあげたホテルことジェイミー・ヒンス、結婚式で着ていたサンローランの青いスーツも素敵だったけど…やっぱりステージでの彼の方が100倍もカッコイイ!結婚してしまったからには、これから一生パパラッチに追いかける生活なんだなあ…なんてゴシッピーな気分も”I hate the way you love” で消える。気だるい旋律、重いリズム。ファッション関係者に長く愛されるバンドとして知られる彼らが奏でる音は都会的と形容されることが多いけれど…都会的なバンドなんて他にも沢山存在するし、愛される理由は…だってカッコイイから!
髪を振り乱して歌うヴィヴィが素敵!(この姿を見て、暑いけどやっぱり切れない~と思ったロング女子も多いことだろう)デッドウェザーでの来日もあったけれど、やっぱりキルズでのヴィヴィが一番素敵で目を奪われる。生き生きしているし、キルズは彼女にとってのホームなんだなあ。
数年前のガレージロック、ポストパンクムーブメントから、まるでバブル崩壊のようにあまたいるバンドが消えていった。その中でもキルズは今なお妖しい魅力をたたえている。2人だけ、何のガジェットやギミックもないシンプルさで、このグリーンステージで物足りなさを感じさせない。それどころかリラックス感さえ漂う。この2人…天然だな…。
3年ぶりにやっと出たアルバム『Blood Pressures』から” Future Starts Slow”のイントロで観客も沸き立つ。リリースされたばかりの時、The KillsTVでこの曲のPVが流れていたけど、それがもうハンパなくカッコイイ仕上がりで、何度見入ったことか。同じ気持ちで見ていたファンも多かっただろう。ライブ映像と日常の風景とが織り交ぜられた、彼らの世界観を濃縮して感じられる作品。こうして眼の前で見ているとあの映像が心象風景のように思い出されたり。” Heart Is A Beating Drum”では2人でギターをかきならす姿に痺れる。
予断だが上のサイトでは”DNA”がフリーダウンロード可能。
相変わらずホットで淡々としたステージングを繰り広げ「サンキュー!ちゅばっ!」とキス音を残して去ったジェイミー。…もう、何から何までカッコイイのである。キルズの事を書くとカッコイイを連発してしまうので気をつけているけれど、止められない!彼らはこの上なくカッコイイ×100!
写真:前田博史
文:mimi