GREEN STAGE, | 2012/07/28 15:00 UP

MONO with The Holy Ground Orchestra

オーケストラとともに響かせた希望の音色

結成当初からワールドワイドに活動を続け、自らの音楽を力強く昇華させ続けてきた日本のインストゥルメンタル・バンドの雄、MONO。彼等の本格的な再始動は、炎天下のホワイトステージを舞台にして行われたMONO with The Holy Ground Orchestraのライヴからとなった。約20名にも及ぶ迫力のオーケストラとともに彼等は、希望の音色を苗場に響かせる。

今回のフジロックはライヴ自体も久々のものになるのだが、来月に発売される6枚目のフルアルバム『For My Parents』の発売に伴っての最初のライヴにもあたる。ギターのTAKAが奏でる深遠なアルペジオからスタートした最初の曲は、そちらに収録されている新曲となるだろう。MONOらしく静から動へとこの上なくドラマティックに展開していく楽曲であるが、激しい感情の起伏が荘厳なオーケストレーションを伴うことでより巧みに表現されている。心血を注いで鳴らされる音色のひとつひとつがやがては壮大な音へと変わり、苗場の大自然に響き渡る終盤には思わず鳥肌が立ったほどだ。

続いての2曲目も新曲、さらに3曲目には新作『For My Parents』から先行公開されている” Dream Odyssey”が披露される。ベースのTAMAKIがピアノを弾き、美しいツイン・ギターとストリングスがより際立って響いてくるこの曲は、特に終盤にかけてのその音の重なり具合はとても美しく感動的であった。客席を見渡すとじっくりと聴き入ってる人がとても多い。時に訪れる圧倒的な轟音に体が動かされることもあるが、オーケストラを伴ったことでコンサートに近い趣を感じた人も多いかもしれない。1曲が終わるごとに会場からは盛大な拍手が送られていた。

そして、冷たいグロッケンの音色から凄まじいまでの轟音が掻き鳴らされた”Ashes In The Snow”を挾み、ラストは”Everlasting Light”で希望の音が高らかに鳴らされる。張り詰めた緊張感の中で美しくも力強く突き進み、勇壮とも表現したくなるクライマックスではMONOとオーケストラが完璧なる調和で涙腺を緩める。そして、押し寄せる感動。最後の一音に至るまで聴き逃せない圧巻のステージは、こうして幕を閉じた。最後には、指揮者と演奏者の一人を連れて6人で肩を組んで、ホワイトステージの万雷の拍手と大声援に応えていた。

個人的には、2009年末に渋谷O-EASTで行われたMONOとオーケストラとの公演を目撃しており、これまでに味わったことのないような感動を味わっている。あの奇跡の再現をもう一度という想いはずっと強く持ち続けていたが、フジロックを舞台にした今回もまたMONOだからこそつくり上げることができたステージだったといえるだろう。さらにいえば、苗場という舞台が特別なエネルギーを付与した印象もある。そんなライヴに終始鳥肌が立ちっぱなし。これまでに体験したことがないホワイトステージがそこにはあり、心は感動で埋め尽くされていた。

–Setlist–

1. Legend
2. Nostalgia
3. Dream Odyssey
4. Ashes in the Snow
5. Everlasting Light


写真:森リョータ 文:伊藤卓也
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