スペインのアラゴン自治区からやってきたマヤカンは、独自の言語であるアラゴン語と土地に伝わるバグパイプ「ガイタ」をセットに組み込んで、音楽を通して自分たちの文化を伝えている。ライヴの最後に持ってきたのは、ネグ・ゴリアック(フェルミン・ムグルザがかつて結成していたバンド)の楽曲、”ゴラ・エリア”。これこそが、彼らの気持ちを代弁している。バスク語の「ゴラ・エリア」とは、「がんばれ、地元(バスク)」という意味で、バスクよりも比較的スペイン寄りとされるアラゴンにおいても、自身のアイデンティティはスペインではなく、やはりアラゴンの旗のもとにあったのだ。
写真・文:西野太生輝