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7/25 FRIGREEN STAGE

ROUTE 17 Rock’n’Roll ORCHESTRA(feat. 仲井戸”CHABO”麗市,甲本ヒロト,トータス松本,TOSHI-LOW)

フジの幕開けを飾る最強オーケストラ

苗場だけのスペシャルバンドが、今年もグリーンステージのトップバッターとして登場だ。池畑潤二(Dr)を筆頭に、松田文(Gt)、井上富雄(Ba)、花田裕之(Gt)、ヤマジカズヒデ(Gt)、梅津和時(A.Sax)、田中邦和(T.Sax)、タブゾンビ(Tp)、青木ケイタ(B.Sax)、細海魚(Key)、丈青(Pf,Key)、スティーヴエトウ(Per)と、フジロックに馴染み深いアーティストたちが大集結し、フェスの幕開けを盛大に飾るルート・セブンティーン・ロックン・ロール・オーケストラ。豪華アーティストたちは、全力の青空と木々の緑が広がるグリーンステージに最高の熱気をもたらすパフォーマンスを披露してくれた。

トップで登場したTOSHI-LOWは、豪華バンドをバックにスライ&ザ・ファミリー・ストーンの”I Want To Take You Higher”を豪快に熱唱し、グリーンステージにパワフルな熱気を届ける。歌い終えたかと思えば、早くもモッシュピットにダイブ!「悪いけど、もっと盛り上がってくれないと俺、あのドラムの人に怒られるの」「分かってる、分かってるよ。俺がちょっと場違いだってこと」とオーディエンスを笑わせると、続くは15歳の時に初めてステージで歌った曲だというTHE ROOSTERSの”レザー・ブーツ”をカバー。噛み締めるように歌うその姿からは、この曲に対する強い思い入れが伝わってきて、まるで15歳のロック少年を見るかのようだった。グリーンステージに早くも最高潮の熱気を届けたTOSHI-LOWは、歌い終えるとなぜかダッシュでステージを去っていった。

続いてステージに登場したトータス松本は、”Oh, Pretty Woman”で苗場に爽やかな興奮が広がる。グリーンステージ中の観客がトータス松本の歌にハンドクラップを送り、華やかな一体感に包まれていく。聴いているだけで笑顔になってしまうその温かい歌声は魔法のようだ。ギターを抱えると、今度はブルースのスタンダードナンバー”Shake Your Moneymaker”へ。ルート17ロックンロール・オーケストラのアダルトなアンサンブルに、渋みと華を持つトータスの歌が相まって、最高のグルーヴを響かせる。「ありがとう!」と叫んでステージを後にすると、フィールドからは大きな歓声が送られた。

華やかなコーラスとキュートなダンスを見せる女性3人組MIKUNI♡DOLLSが、”VACATION”の歌詞を「F-U-J-I-R-O-C-K」と変えて歌って大盛り上がりすると、今度は甲本ヒロトがステージに登場。”アナーキー・イン・ザ・U.K.”を日本語詞で歌って観客を歓喜させると、「みんな楽しんでる?次の曲は、俺たちみんなの大好きな忌野清志郎も歌った曲。僕は忌野清志郎みたいに歌えないかもしれない。忌野清志郎みたいに歌えないかもしれないけど、もしここに仲井戸麗市みたいなギターを弾いてくれる人が現れてくれたらなあ」と語って仲井戸”CHABO”麗市をステージに迎え入れ、RCサクセションアレンジの”上を向いて歩こう”へ。この最高すぎる展開に、グリーンステージはもちろん大歓声&大合唱。フジロック、こんなに初っ端からクライマックスの盛り上がりでホントに大丈夫なんだろうかとちょっと心配になるほどだ。 

「フジロック、ありがとう!みんなありがとう!」とヒロトがステージを去ると、CHABOがブルース・スプリングスティーンの”ハングリー・ハート”を日本語詞でカバーを披露。そして、「一緒に歌ってくれ!」と演奏したのは、”雨上がりの夜空に”だ。仲井戸麗市と梅津和時が立つステージに、オーディエンスからの大歓声が押し寄せる。オールディーズの大名曲ばかりをカバーしたルート17ロックンロール・オーケストラのライブだったが、この”雨上がりの夜空に”で巻き起こった歓喜と大合唱は別格だった。CHABOは「YEAH!って言え!」と盟友の決めゼリフまでカバーしてオーディエンスを沸かせる。

ラストはTOSHI-LOW、トータス松本、甲本ヒロトが再びステージ登場し、ザ・ポーグスの”SIESTA”を交互に歌って大団円。ボーカル陣はそろいもそろって「アイルランド〜、アイルランド」と連呼するだけの適当すぎる歌詞で歌って爆笑を誘う。実はこれ、去年のルート17ロックンロール・オーケストラのライブでのヒロトの歌をみんな真似ているのだ。当のヒロトはステージにひっくり返り、駄々っ子のように足をバタつかせながらの熱唱を見せる。ステージでみんな子どもみたいに無邪気に楽しんでいる。曲の終わりのキメをボーカル陣がどうぞどうぞと譲り合うというなんとも微笑ましい光景を最後に見せつつ、フジロックの幕開けを最高の笑顔で飾ってくれたルート17ロックンロール・オーケストラ。彼らのライブを見ていると、「音楽が好きでよかった」という思いを噛み締めずにはいられなかった。グリーンステージで大歓声を送り続けたオーディエンスたちもきっと同じ気持ちだっただろう。

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