STONE FOUNDATION
今年のフジはグルーヴィーなソウルとともに
「今日も天気が悪いな…」とぬかるんだ地面をバシャバシャ蹴りつけながら、会場へと急いだ。会場に着くやいなや、イライラは吹き飛んでしまった。そう、いよいよフジロックがはじまる!人はまだまだ少ないものの会場にワクワク感が充満している。
初日のレッドマーキーのトップバッターを務めるのは、英国はウォーリックシャーを拠点に活動するバンド、ストーン・ファンデーションだ。昨年2月に英国政府が推進する「GREAT キャンペーン」のPRの一貫で来日した。YouTubeで来日公演の模様をチェックできる。
開演5分前、会場にファンキーな電子ビートが鳴り響き、徐々に熱気を帯びてくる。開演時刻にプレゼンターが登場し、「おはようございます!」と一言。日本語はつたないが、バンドの略歴を一生懸命に説明しバンドを呼び込み盛り上げるのだ。計8名のバンドメンバーが何とも嬉しそうに腕をふり上げながらステージに登場した。
「皆さま、こんにちはー!お元気ですかー?」とフロントマンのニール・ジョーンズが叫び、”Beverley”で開演した。のっけから、ニールのソウルフルな歌声が会場に響き渡る。ホーン隊も、リズム隊もあらん限りのグルーヴ感を醸成してニールに付いていくのだ。ステージの青白い照明もこの曲によく映えている。
ステージが怪しく赤く染まり、”These Life Stories”がエキゾチックな質感を漂わせながらはじまった。この曲ではトランペット奏者のガース・ジョンがマラカスを片手にシャカシャカ鳴らし、ロバート・ニュートンのコンガが一際派手に飛び跳ねる。ビートのアクセントが何とも効いていた。そして、ジェントルなタッチで流れるキーボードの音色。たまらない。
続けて”Don’t Let The Rain”を投下。出だしで出力されるぶっといベースがめちゃめちゃかっこいい。ニールは間奏部でステージ前方に出て来て「Everybody love the sunshine!」とフロアに合唱を促す。まさしく会場外の天気に対して祈るかのような曲だ。コール・アンド・レスポンスの後、バンドはそれぞれのパートの魅せ場を盛り込んだ怒涛のジャムへと突入する。フロアの熱も一気に上がり、思い思いのダウンを披露している。ふと後ろを振り向いて気がついた。いつのまにか結構埋まってるじゃないか。オアシスエリアにいた人たちが音に誘われて足を運んだに違いない。
ラストは、”That’s The Way I Want To Live My Life”でフロアをムーディーに酔わせ、「岩盤でのサイン会で会おう!」と一言残しステージを後にした。確かなミュージシャンシップに裏打ちされた、オーセンティックなソウルで魅せてくれた。
-Setlist-
Beverley
Bring Back Happiness
Learning The Hard Way
These Life Stories
Don’t Let The Rain
A Love Uprising
That’s The Way I Want To Live My Life