TXARANGO
バルセロナ代表、チャランゴ登場!
チェ・スダカの狂乱を覚えていますか? エスネ・ベルサの練り歩きを覚えていますか? タルコのシンガロングを覚えていますか? ラテン世界のごった煮バンドをフジロックに送り出してきたプロモーター、「ジャポニクス」が送り出す今年のラテンロッカーズは、チャランゴ。彼らは、バルセロナでは、6万人というとてつもない規模のフェスを主催するほどのバンドだ。
そんな、ラテン圏で後々語りつがれるようなアーティストが、こぢんまりとしたクリスタル・パレスに出るというのだから、見られた人は幸運そのもの。チェ・スダカより、エスネ・ベルサよりも、ラテン音楽のルーツを強く出してきていて、どこか、土くささが感じられるのが彼らの魅力だ。
ゆったりとした裏打ちで始まり、ダブルのリズムへと移行するという、ラテン・ミクスチャー勢の得意技ももちろん盛り込んでくる。それは、言うなればサッカー(フットボール)のようなものだ。リズムの転換は、応援するチームがゴールを決めたと思えばいい。序盤にパスを回して——ゆったり着実に——ゴールへと迫り、そしてネットを揺らして——ダブルのリズムで——加速すると、それまでの横揺れは強烈な縦揺れに変わる。
ルーツとしてのラテンがあって、そこにスカ、クンビア、パンクなど様々な音楽の要素が詰まっている。曲名も、サビのフレーズも、前もって知っておく必要はない。足を向けて、ひと目見てくれれば、キャッチーなリズムと、コール&レスポンスといった煽り、そして、ステージを飛び跳ね、走り回る光景に、ごっそりと気持ちを掴まれてしまうのだから。
フジロック初日の、「騒ぎたい」気持ちを満たしてくれるバルセロナの「ティキ・タカ」バンドに、いま一度
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