Räfven
レーヴェン公式ライヴ2回目@クリスタル・パレス!
ホワイト・ステージに出演するほどの人気者を、決して大きいとはいえないクリスタル・パレスにぶっこんでくるのがフジロックの恐ろしさよ。当然、フロアは後方まで人で埋まり、湿度も上がって、ちょっとしたサウナ状態となっている。入場規制は言うまでもない。
ひときわ密度の高いクリスタル・パレスにレーヴェンが現れると、最前列のガードになっている鉄のパイプのしなること。メンバーそれぞれが限られたスペースの中で縦横無尽に動きまわり、床を踏み鳴らす。その結果、ステージ上の床を踏み抜いてしまうというアクシデントが起きた。アコーディオンのマーティンが踏み抜いた板の残骸を「勲章だ!」と言わんばかりに掲げ、さらにオーディエンスを煽る。ステージ上でなにをやっても火に油を注ぐ状態で、まさに「熱狂」という言葉がふさわしい。
ドラムの弾けるようなショットに合わせ、ダブルベースがしっかりとリズムを操る。引きつったようなフィドルの響きと、タンブーラとの小刻みなアクセントが賑やかさに拍車をかけていく。ガチャガチャとけたたましくかき鳴らされるギター、サックスとトロンボーンのホーン2発は、ステージ上で散々動き回っているにも関わらず、息切れひとつなく、音に厚みを加えている。
テントの中はどこもかしこも踊り狂っている。フロアの中心は、おしくらまんじゅう状態で、テントそのものが揺れ、軋んでいる。いつの間にかレーヴェンの面々もシャツを脱ぎ捨て、半裸状態となっており、それぞれ、尋常ではない汗をかいて、光を反射する「発光体」のようになっていた。
2009年は完全なノーマーク、事前にチェックした者がダークホースとして捉えていた程度だった。そして、レーベルも「裏ベストアクト」を狙いにいって、その通りになった。だが今回は、いよいよ、グリーンのヘッドライナーを含めた、「『ベストアクト』ダービー」に名を連ねる年となるはずだ。ライヴの途中で10月の再来日も発表された。おそらく、「アレ」にも関わってくるのだろう。レーヴェンの行進は、止まらない。