twenty one pilots
無茶ぶり・やんちゃし放題!
涼しい風が吹き始めた16時過ぎのホワイトステージ。登場するなり一瞬でアツさを呼び戻したのは、twenty one pilotsの二人だ。トレードマークのマスクを被って現れ、一曲目の“Heavydirtysoul”からステージ上でやりたい放題の大立ち回り。天井から吊るされたマイクとハンドマイクを交互に使って歌ったかと思ったらそれをスタッフに放り投げ、ピアノの上でノリノリで踊り、あげくタンバリンまで豪快にぶん投げる。「なんだこの二人は…!」おそらく偶然通りかかっただけの人たちはそう思ったに違いない。それくらいtwenty one pilotsのライブは最高に破天荒で予測不可能だ。
彼らの音楽はHIPHOPともロックともパンクとも定義づけることが難しい。けれどひとつ確実に言えるのは、彼らのライブは100%「観客参加型」であり、単なるライブの枠を超えた「エンターテインメントショー」であるということ。基本的に全ての曲で観客にジャンプやコール&レスポンスなどのアクションを求める。今日のライブも同様で、”We Don’t Believe What’s on TV”や“Car Radio”では演奏前に「YeahYeahYeah」「OhOhOh」といった掛け合いのレクチャーをするので、初めて彼らの曲を聴く人も一緒になって大盛り上がりの大合唱となるのだ。
彼らのライブのもうひとつの特長は、二人がとにかく右へ左へよく動くこと。上手からダッシュでピアノの上へ駆け上がりそのまま下手の端を超えてスピーカーの際まで一直線。ちょっとでもよそ見するともうどこへ行ったかわからない。衝撃だったのは“Car Radio”の演奏中。一瞬姿を消したと思ったら、ホワイトステージの右サイドに停めてあった中継車の上に突如として登場してみせたのだ。まるでマジックショーのようで、観客からは驚きまじりの大歓声が起きた。
ラストの大ヒットアンセム“Guns for Hands”で盛り上がりはピークに。後方を振り返れば、入り口までぎっしりの観客が手を挙げジャンプするお祭り騒ぎ状態。最高の光景だった。そこから二人揃ってステージを降り、観客に身体を支えられながらモッシュピット上に立ち上がって、その場でドラムを叩き出す。こんなハチャメチャなライブ、見たことない!二人は最後の最後まで「観客を楽しませること」に徹底しており、それはもう初めて見たお客さんを一発でファンにしてしまうほどの素晴らしいパフォーマンスだった。次回の来日ライブでは間違いなくリピーターが増えるだろう。なぜなら終演後、本当にたくさんのお客さんが頬を上気させて「ヤバかった!」「絶対また見たい!」と口々に語り合っていたからだ。