CHABO BAND
最後に、フジロッカーおなじみのあの名曲が! そしてサプライズゲストが!
仲井戸”CHABO”麗市は、この日、グリーンステージの一発目、ROUTE 17 Rock’n’Roll ORCHESTRAにゲスト参加して、RCサクセションの「よォーこそ」や、最後に出演者全員が登場してRCがカヴァーして日本語詞をつけて原発問題を扱った「サマータイムブルース」などを演奏した。
そして、約3時間後、今度はフィールド・オブ・ヘヴンにCHABO BANDとして登場。いろんな形でフジロックにでた仲井戸麗市は、CHABO BANDとしてはフジロックは初めてということだ。といってもホームのような状況でヘヴンの住民たちはバンドを迎えたのだった。
それまで曇って小雨が降ったり止んだりしていた苗場も、バンドの登場のころには、完全に止んでさらに日が差して暑くなってきた。ステージ前には人が集まっているのと、PAから後ろあたりはキャンプ用の椅子に座っている人がほとんど。まったりした空気が漂っている。
新しいアルバム発売を控え、新曲が披露された。高齢者問題を歌った「オーイ、オイ」やロカビリーの「やせっぽちのブルース」など。既発曲も、昨今の情勢に反応して、ブルースギターが唸る「平和BLUES」や、疾走感ある「Free Time」、ジャジーな「まあ、いずれにせよ」なども演奏される。
「どうもレッド・ツェッペリンです」とか「チャボっていう名前はかわいいから、スティングとかいう名前にしたかったけど、やっぱり一生チャボでいくぜ!」とか「自分はフジロックの最高齢かと思ったら、加藤登紀子大先輩が出てるね」「自分は全くアウトドアじゃないんだ」などなど、みんなの笑いを誘うMCをする。
だけども、この日は「彼はフジロックが大好きでした」と忌野清志郎の話をして、最後の共作となった「毎日がブランニューデイ」、先日亡くなったブルース・ギタリスト石田長生に捧げる「小さい翼」(=ジミ・ヘンドリックスの「Little Wing」に日本語詞を付けた曲)で仲井戸のギターが泣きまくり会場も泣かせた。
最後を締めくくったのは、「雨上がりの夜空に」。盟友・清志郎がフジロックのテーマソングにしてしまった感じのする曲にイントロから盛り上がる。座っていた人たちも立ち上がった。そして、ステージに登場したのは、うじきつよし! 先ほどのルート17ロックンロール・オーケストラでも登場したけど、こちらでもRCの曲を歌う。本当に雨も上がったわけだし、あまりにもジャストなタイミングで、ヘヴンを清志郎が見守ってくれたような気にさせていったのだった。