BIGBOB AMEMIYA
いつも通りに、自分のやりかたで
日本のみならず、ロンドンでも長くDJ活動をしていた、ビッグボブ・アメミヤ。首都圏では、クラブチッタやオーイーストなど、かなりの規模のハコで自らのイベントを成功させてきた彼だが、意外にも、フジロックの出演は今年が初となる。
盟友、ブラッデスト・サキソフォンの後を引き継ぎ、さあいよいよといったところで、いきなり音が出ないという機材トラブルに見舞われた。しかしそこは百戦錬磨の強者。すかさずマイクを持ち、巧みなMCで無音の場を繋げていく。
機材が復活したところで、いよいよ本領発揮。本人は「いつも通り」にジャンプにスウィング、リズム&ブルーズ、ラテンに旧き良き昭和の歌謡にいたるまでジャンルの別なく繋げていく。お馴染み、”テキーラ”のメロディーでオーディンスの琴線を揺さぶりつつも、そのブレイクは”マルガリータ”だったり、「おっ?」と思わせる抜群のハズしもおもしろいように決まっていく。
沸き立つオーディエンスは、前の人の肩をつかんで車列をつくったり、フロアでダンス大会を始めたりと、好き勝手に遊んでいる。そのダンスは決して上手いとはいえない、たどたどしいものだ。だけれども、それがいい。「ステップ」を知らないいちげんさんをダンサーとしてしまう繋ぎと、曲の解説を交えたMCの技は、今後のクリスタル・パレスの名物となっていくことだろう。
※こちらでクリスタル・パレスのライヴMIXが公開されています。プレイした順番通りにしまって、あとで再録したとのこと。