THE BOHICAS
音もルックスもかっこよすぎる直球ロックンロール
午後2時過ぎのレッドマーキーは、UKイーストロンドン発のロックバンド、ザ・ボヒカスを待つ人々でいっぱいだった。ここに集まる観客の多さが、いかに彼らに対する期待度が高いかを物語っている。2014年にリリースした EP『The Bohicas』でいきなり注目を集め、アークティック・モンキーズらが所属するレーベル、Dominoと契約。まだデビューアルバムが出ていないにも関わらず、ストレートなロックで人気急上昇のバンドだ。
ステージの上では、ドラムのブレンダン、ベースのエイドリアンがライヴ開始時間ギリギリまでサウンドチェックが行っている。定刻になるとそのままギターとボーカルのドミニク2人が登場した。黒Tシャツのブレンダン以外は、細身のパンツにシャツというスタイリッシュな出で立ちだ。コール&レスポンスで観客のテンションを確かめると、そのまま演奏が始まる。歪んだギターに、ぐいぐいベースがうねる直球ロックンロール。全員が代わる代わるコーラスに参加し、絶妙なハーモニーも聴かせる。注目を浴びるきっかけとなったキャッチーな“XXX”、サビで観客が拳を突き上げる“To Die For”、大きな手拍子が沸き起こった“Where You At”など、どれも勢いのある演奏で魅せた。激しく踊るというより、じっくり聴き入って楽しんでいる観客が多いようだったが、それでもラストの“Swarm”ではステージ前真ん中あたりでモッシュピットが発生し、ダイブする人も続出。疾走感が痺れるほどかっこいいヒット曲でステージを締めくくった。
ストイックなロックバンドである点ばかりが注目されているように感じるが、なかなかメロディーも良く、歌を聴かせるバンドでもあった。デビュー作『The Making Of』の日本盤が出るのは8/19。アルバムリリース前からこれだけ完成度の高いステージを見せるのだから、その可能性には俄然期待してしまう。これからどんな音を聴かせるバンドに成長していくのか。楽しみだ。