RYAN ADAMS
天才の帰還!
馬鹿でかいフェンダーのアンプが2つ、塔のようにそびえ立つステージ。2005年には、雷雨というあいにくの天気に苛立ちを感じたのか、ライブの中盤で曲を無視し、突然ギターのノイズを出しまくるという伝説的なパフォーマンスを行ったライアン・アダムス。でも大丈夫。今日のステージはレッドマーキー。屋根がある!!!今回のフジロックでは10年ぶりの来日とあり、期待を胸に続々と集まる観客達。
「ライアンからのお願いです。フラッシュは絶対に焚かないでください。彼が倒れてしまいます!」というアナウンスから始まり、若干の緊張感が漂う。そんな中、ライアンの登場に「待ってました!」と言わんばかりの温かな拍手と声援が送られ、まずは一曲目、”Gimme Something Good”のどっしりとしたイントロが会場内に響く。シンプルなギターに哀愁漂う歌。序盤のハウリングが気になったものの、開始5秒で「ああ、この人は天才なのだ。」と思った人は多いはず。
“Let it Ride”、“Stay With Me”、とソウルフルな曲が続く中、“New York,New York”では、ブルーハープの演奏も見せてくれた。ギターをかき鳴らすライアンの姿や圧倒的な演奏のただただ息を飲むばかり。彼が世界中から愛される世紀のシンガーソングライターだということが、はっきりと分かる。
最後の曲、” Shake down on 9th Street”では、キーボード・ソロと共に、オーディエンスがハンドクラップで彼の勇姿に応え、場内の熱気はこれ以上ないくらいに充満する。ライアンが直接下に降り、観客の目の前でギターを弾くというサービスっぷり。最後までご機嫌で演奏をし、お辞儀をした後にガッツポーズをする姿が印象的であった。
MCもメンバー紹介も一切なし。10年間の借りを全て返すかのような、60分13曲の音楽と真正面から向き合った濃密なライブはまさに圧巻。彼がステージから去った後の約5分間、アンコールを求める惜しみない拍手が鳴りやむことはなかった。今年のベストアクトは、間違いなくライアン・アダムス!
-Setlist-
1.Gimme something Good
2.Let it Ride
3.Stay with Me
4.Dirty Rain
5.To Be Young(Is Be Sad,Is to Be High)
6.New York,New York
7.Kim
8.This House Is Not For Sale
9.Peaceful Valley
10.Magnolia Mountain
11.Come Pick Me up
12.When the Stars Go Blue
13.Shake down on 9th Street