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FUJIROCK EXPRESS 2018

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LIVE REPORTGREEN STAGE7/27 FRI

サカナクション

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© Photo by 森リョータ© Text by 梶原綾乃

Posted on 2018.7.28 08:44

彼らの「今」を詰め込んだ、フルコースで!

台風の心配をもあったが、なんとか今まで天気は保っている。きれいな夕焼けが空にあふれて、少し肌寒くなってきた。さて、サカナクションといえば、音響はもちろん照明にもこだわったステージづくりが特徴だ。この夕焼けを見る限り、このあとの時間は、彼らにもっとも向いている時間なのではないかと思う。周囲を見渡すと、セットリスト予想をしたり、はしゃぐ若いフジロッカーがいっぱい。彼らにとって6年ぶり2度目のステージ、それも今回はグリーンステージだ。この6年でフジロックの客層、彼らの客層も変化・循環しているのを感じる。

時間になり、ステージのモニターに映し出されたのは、波打つ海、どこか都市の日常風景、ノイズなどが混ざりあった映像。黒のバックに「sakanaction」という文字が映され、1曲目は“朝の歌”でスタート。その後、ゆっくりとサウンドが頭角を見せ始めたと思えば“mellow”、真っ赤なライトにスモークが焚かれたなかでの“enough”など、緩急はあるものの比較的落ち着いたナンバーが続く。沈みゆく夕日に透けるしっとりとした山口一郎(vo.gt)の歌声は、ほかのフェスではみれない、フジロックならではの特権なのではないだろうか?

そして“さよならはエモーション”を皮切りに、“ネイティブダンサー”から、グリーンステージがダンスフロアへと染まっていく。緑のレーザーが放たれ、ボルテージの上がったオーディエンスから喜びの声がわっと湧く。Bメロでのクラップが起こり、サビへと突入するとハイブリットかつポップな音像へと進化しており、驚いた。そのまま音を止めずに“ライトダンス”、“夜の踊り子”と続く。サビには「夜の踊り子」という文字と、踊り子による舞踊をマッシュアップしたVJがテンポよく流れ、オーディエンスによる大合唱も。まだまだこれから、と言わんばかりに“アイデンティティ“、そしてそのまま「見えない夜の月の代わりに引っ張ってきた青い君」コーラスが挟まれ、あっという間に“ルーキー”に着地!再び放たれたレーザー光線が、PAを突き抜け、ステージ正面の木々に吸い込まれていく。岩寺基晴(gt)と草刈愛美(bs)がフロアタムを叩き、さらに“ミュージック”では白いサングラス+ヘッドホン装着で一列に並ぶ、クラフトワークスタイルの進化形もあった。

しなやかな曲転換、数年にわたって少しずつ積み上げられていった曲のアレンジ。スタイリッシュな衣装・映像・演出。木が年輪を重ねていくかのように、サカナクションもより成熟し、どデカイロックバンドとなってフジロックへ帰ってきたのだった。そして、インタビューで「フジロックのセットリストは、いわばコース料理」と話していたように、他のフェスにはない前菜に挑戦したステージだったと思う。他のフェスで彼らを見てきたファンにとっても、今日の彼らは印象に残ったはずだ。

[写真:全10枚]

#TAGS : 7/27 FRIGREEN STAGE

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