控えめにいって、ホワイトステージ最高峰のビジュアルだった。大げさにいうとフジロック史上最高のビジュアルセットだったかも。どんだけお金がかかってるんだろうか？　と思うくらいすごすぎた。ホワイトステージのヘッドライナーでもないのにこのゴージャスさ。

夜になって、昼間の狂ったような暑さが収まり、涼しくなったホワイトステージ、始まる20分くらい前はガラガラだったけど、グリーンステージのサカナクションが終わったくらいでお客さんが来はじめて、始まる直前には満員に近い状態になった。

そして開始予定時刻20:20になると”Intro(A Moment Apart)”が流れて、ステージ背後の大きなスクリーンに宇宙船が映しだされる。これから宇宙の旅が始まるのかと気持ちがアがってくる。それからサポートのトランペットとトロンボーンが両脇から登場して吹く。ある程度温まったところで、ハリソン・ミルスとクレイトン・ナイトが登場し、機材の脇にあるドラム（タム？）を叩く。近年定着した「エレクトロな音＋人力ドラム」である。

次の”Bloom”では、マーチングバンドのように6人のドラマーが現れステージにドラムを置いて激しく叩く。2人の金管楽器奏者や6人のドラマーは曲によってステージを出入りする。そのとき必ず守られているのは、人の配置が左右シンメトリックになることである。サポートギタリストが登場する曲もあるけど、そのときギタリストはハリソンとクレイトンの間に立つ。

ステージ背後とハリソンとクレイトン（と金管サポート、およびサポートギタリスト）はステージ奥の1段高くなっているところでプレイして、ドラマーたちはその前でプレイする。1段高くなっているところにも映像が映しだされるようになっている。ステージ全体がスクリーンのようになる演出もあった。

映像の内容は、マグマが噴出しているところ、水、アジア各地でおこなわれているランタン祭りの様子、日本向けなのかアニメや絵文字や『ブレードランナー』みたいなおかしな日本語の看板、自動車だったりと曲によって多彩なもの。そのインパクト、おしゃれさが群を抜いているのだ。

ヴォーカルのある曲はすべてサンプリングであり、生声でなかったのは少々残念だけど、音のおしゃれさと人力で加えられたビートの迫力はすごい。完全に映像にシンクロして観るものを引き付ける。途中なぜかオールディーズの名曲”Locomotion”をマッシュアップした曲が投下されたり多彩な変化球で攻めてくる。

なんというかオービタルがおしゃれに進化したらODESZAになったというか。映像や演出が細かく行き届いている。もちろん放たれる音も磨かれているようで迫力あるのに耳にやさしい感じになっていた。やっぱり配信の音源を聴くだけでは伝わらない楽曲のよさを感じることができた。

やはりラストに向けてお客さんをアげていく終盤が素晴らしかった。”Sun Models”、”It’s Only”と多くのお客さんたちに腕を挙げさせ、手拍子させ、踊らせたのだった。

Set list
1.Intro(A Moment Apart)
2.Bloom
3.Say My Name
4.Locomotion
5.Late Night
6.One Day
7.Highter Ground
8.La Ciudad
9.Line of Sight
10.Meridian
11.Memories VIP
12.Always this Late
13.Porter
14.Loyal
15.Don’t stop
16.Falls
17.Sun Models
18.it’s Only