LIVE REPORTWHITE STAGE7/28 SAT
BRAHMAN
© Photo by MITCH IKEDA© Text by 松原充生子
Posted on 2018.7.29 04:26
雨ニモマケズ 風ニモマケズ
ライブ開演直前、それまで小雨だった雨が急に強くなる。さすがブラフマン、「もって(ツイて)」いる。定番のオープニングSEブルガリア民謡が流れると、最前列に駆け出す観客も。KOHKI(G)、RONZI(Dr)、MAKOTO(B)がステージに登場。最後にTOSHI-LOW(Vo)が現れ「何もかもうまくいかなかった13年前のホワイトステージ。でも安心しろ、13年で俺たちは強くなった。雨よ降れ、風よ吹け、嵐よ来い。フジロック2018年ホワイトステージを締めるのは俺たちブラフマン、始めます」と言うや否や、ブラフマンの垂れ幕が開き、“THE ONLY WAY”でスタート。早速ダイバーたちが人の波に飛び込む。
雨がいっそう激しく降るが、観客もメンバーも雨をものともしない。TOSHI-LOWは観客に「かかってこいや!」とばかりに、渾身の力で唄う。“AFTER-SENSATION”まで怒涛の勢いは止まることを知らない。観客のボルテージも天井知らずだ。フロアの上ではスモークが渦を巻き、ホワイトステージはさながらカオスのよう。RONZI は地を打つようなビートを叩き出し、TOSHI-LOWの鬼気迫る「ウォー」という叫びが響き渡る。
TOSHI-LOWのTシャツは汗と雨でもうびしょびしょだ。しかし、天の恵みであるかのように雨を笑顔で受け止める。今までの激しいナンバーから一変、バラードナンバーの“今夜”へ。風が強く吹き付けるが、今まで逆風に立ち向かってきたように、そしてこれからも立ち向かうようにTOSHI-LOWは力強く唄う。「フジロックを愛しているアーティストは俺たちだけじゃないんだ」と“ナミノウタゲ”に参加しているハナレグミが登場。「しっかり掴まれよ、振り落とされるなよ」と2人は強く手を握り合った。
風雨がいっそう強くなる中、TOSHI-LOWがフロアに飛び込み、観客に支えられ唄い、語りかける。「フジロックが決まり色んな人に言われました。フジロックですね、ブラフマンですね、雨ですね。フジロックですね、ブラフマンですね、ホワイトでトリですね、雨ですね。フジロックですね、ブラフマンですね、台風ですね。だから俺は腹くくってイメトレをしてきた。ホワイトステージの屋根は吹き飛び、倒れてくる柱を避けながら歌い、大きい水たまりができて、泳いでモッシュする。それを想像してきたから、こんな天気は晴れだ!」と。観客から大歓声が上がる。
「フジロックが最近言われていること。マナーがどうだ、ごみを捨てるな、思想を持ちこむな、子どもを連れてくるな。だから俺、ゆっくり見てやった。端から端まで。思うことはあったよ。だから、フジロックに一言言わせてもらう。…フジロックは日本一のフェスだ!異議なし!だから、おまえらも日本一の客だ。いい雨合羽もってんだろ?だからフジロックに台風くらいきても大丈夫だろ!」
「昨日はハナレグミを見に行く途中、ミラーボールの上にきれいな満月があった。こんなにわくわくするフェスってないだろ?そのわくわくはここに今、自分の足でたどりついた奴にだけにわかるんだ」TOSHI-LOWは続ける。「台風が少しでもこっちに来て、西日本に被害が少なくなるように、せめて唄う。満月の夕」。満月の夕はソウル・フラワー・ユニオンの中川敬とヒートウェイヴの山口洋の共作で、阪神淡路大震災の現実を人々の姿を唄った曲だ。「解き放て いのちで 笑え 満月の夕」、唄い切るとTOSHI-LOWは、いろんな地へ人へ祈りを込めるかのように、しばらく頭の上で両手を握りしめていた。
「さあ 幕が開くとは 終わりが来ることだ 一度きりの意味を お前が問う番だ」と最後に“真善美”を唄い切り、「また来年フジロックで会いましょう」と笑顔を残し、2018年7月28日23:20、強く雨降り風吹く中ホワイトステージの幕を締めた。
<セットリスト>
THE ONLY WAY
賽の河原
雷同
EVERMORE FOREVER MORE
CHERRIES WERE MADE FOR EATINIG
SEE OFF
BOX
BEYOND THE MOUNTAIN
DEEP
怒涛の彼方
AFTER-SENSATION
今夜
ナミノウタゲ
守破離
不倶戴天
ANSWER FOR…
警醒
鼎の問
満月の夕
真善美
[写真:全10枚]
VOICES
BRAHMANフジロック終了。
— やまぐっちょん (@yama_chon) 2018年7月28日
どしゃ降りと強風の中で忘れられないライブになった。
トシロウさんが「台風が西日本の方に向かっていて、そこにはツラい思いをしている人達がたくさん居て、もう少しだけ台風をこっちに寄せてほしい。フジロックの客は強いから大丈夫」という言葉に強く頷いた。#fujirock pic.twitter.com/LxpghFeOPf【ハナレグミ】本日、FUJI ROCK FESTIVAL '18にて、WHITEステージのヘッドライナー、BRAHMANさんのステージに「ナミノウタゲ」で参加し、雨の中熱唱しました♬昨夜に続きありがとうございました! pic.twitter.com/jF9nhvY24x
— Laughin (@Laughin_JP) 2018年7月28日今日は結局Skrillex→FISHBORN→BRAHMANを観たけど
— みや (@MUSICFIGHTER38) 2018年7月29日
TOSHI-LOW先輩が「西日本に行こうとしてる台風、FUJIの客は大丈夫だからもっとこっち来い!」って言ったもんでBRAHMAN終わった後の暴風雨まじキタコレだった(笑BRAHMAN、泣いた。
— 田辺正峰@ISE(大阪籠球会) (@masahotanabe) 2018年7月28日
FUJI ROCK、これだけでもいいって思えるLIVEだった。
台風もう少しこっちにくればいいなんてトシローさん以外言えないな。西日本の人にも少しでも伝わればいいな。
俺の拙い言葉じゃ全然足りないけど。
ほんと最高のLIVEでした!結果BRAHMANに圧倒されて雨が弱まった👹#フジロック #fujirock #BRAHMAN
— フェスお姉さん☀️ (@feslikes) 2018年7月28日