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FUJIROCK EXPRESS 2018

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LIVE REPORTWHITE STAGE7/29 SUN

CHVRCHES

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© Photo by 古川喜隆© Text by あたそ

Posted on 2018.7.29 23:48

低音響くデジタルサウンドと可憐に舞い踊る天使の歌声。踊る苗場に乾杯を!

はじまる前から、予想はできていた。キュートなルックスに透き通る声。「ハピハピ!ジョイジョイ!」なんて、ギャップを感じる愛くるしいMC。ステージを駆け回るフロントマン、ローレン・メイベリー(Vo)の魅力が、会場にいる全員の胸を撃ち抜いた。もう、本当に老若男女問わずに、メロメロになっていたのではないだろうか。そして、ポップでわかりやすい曲に、特徴的なキラキラとしたデジタルサウンド。安定感のある重い低音も合わさって、自然と身体が揺れてしまう。CHVCHESの魅力に骨抜きにされてしまった!

登場したローレンは、袖の部分をカットしたTシャツにチュールスカート。全身ホワイトの装いに、目の周りにはキラキラとしたラメがまぶしいブルーとピンクのメイク。ああ、かわいい。まるで天使のようであった。

特徴的なイントロにクラップ&ハンズが起こり、まずは、5月にリリースされたばかりのニューアルバム『Love Is Dead』から“Get Out”。実は、フジロックには初登場となるCHVCHES。今回は、ドラマーのジョニー・スコットを迎えた新たなライブセットとなり、力強いアレンジが全体の演奏をより一層迫力のあるものにしている。今までの3人形態のライブは、どうしても心細い音になってしまっていたが、そういう不安が一気に払しょくできたように思う。
それだけでも十分、といいたいところなのだけれど、体内の空気が震えるほど響く低音に、ホワイト・ステージ特有の音圧。完璧な照明の揃った、シンプルなステージセット。見事なまでのライブバンドに成長したCHVCHESに、踊らされる準備はもう整っていた。

“Bury It”のサビでは、チュールスカートを鷲掴みにし、思い切りヘッドバッキングをしながら歌うローレン。ステージ上で可憐に舞う彼女も素敵だけれど、頭を振り乱す姿もたまらない。“WE SINK”では、スカートを翻しながらくるくると回る、ローレン。陰と陽が入り乱れる曲たちに、透き通る声がマッチする。ときに口元からマイクを離し、感情を発露させながら歌っていたのだけれど、それでも声の圧が収まることはなく、ホワイトステージ一面に向かって響き渡るのだった。

中盤では、ローレンとマーティン・ドハーティー(Key, Vo)がパートを替え、“God’s Plan”と“Under The Tide”の2曲を堂々と、歌い上げる。ノリノリのダンスも含めてなかなかの上手さ。ローレンが歌うCHVCHESの雰囲気とはまた異なった一面を見せてくれ、ホワイトステージはこの日一番の大盛り上がりを見せたのではないだろうか。

複雑なリズムが心地よい“Leave a Trace”、ローレンのアカペラからはじまった“The Mother We Share”、雨がやみ本当の意味でブルーの夜空が広がった“Clearest Blue”と、後半にかけての素晴らしい畳みかけも、大いに盛り上がりを見せた。この絶妙な流れに、興奮した方も多かったのではないだろうか。

最後は、“Never Say Die”で大合唱が起き、ゆっくりと終了に向かっていく。ファンの方が柵にかけていた「CHVRCHES」と書かれた日本の国旗をまとい、はしゃぐようにステージを走り回っているローレン。ああ、もう!最後の最後までかわいいんだから!
アンコールはなし。途中から雨が降り出してしまったのは少し残念だったけれど、心地よい音の洪水にのまれ、作り込まれた音に踊りに踊らされた夜となった。

後半のMCでは、「まだ詳しくは言えないけれど、近々また来る予定だから、すぐに会おうね!」という嬉しい報告をしてくれるローレン。もしかして、単独公演?なんて、ちょっと期待してしまう。
駆け抜けるようにフジロックが終わり、明日からフジロスを抱えてしまいそう。けれど、近々CHVRCHESのライブを見ることができる日が来ることを胸に、これから続いていく毎日も頑張っていけそうな気がする。

[写真:全10枚]

#TAGS : 7/29 SUNWHITE STAGE