LIVE REPORTWHITE STAGE7/29 SUN
KALI UCHIS
© Photo by fujirockers.org© Text by 梶原綾乃
Posted on 2018.7.30 04:42
ラテンの香り漂う、セクシーガール
今年リリースしたデビューアルバムの話題性はもちろん、実力も申し分なしのカリウチス。コロンビア生まれの25歳、いったいどんなパフォーマンスをみせてくれるのだろうかと、晴天のホワイトステージに人が集まる。赤バックのスクリーンに白文字で「KALI UCHIS」と表示されると、ベース、ドラム、キーボードのバックバンド3人が入ってきて演奏がスタートした。
やがて、表に出てきたカリウチスは、胸元までのショートなタンクトップ、下はTバック、そしてその上に網タイツのようなパンツを履いた全身真っ黒、下着姿のようなファッション。妖艶な吐息、鼻に抜ける子音がセクシーな“Speed”で始まりを告げる。続いて披露された、“Rush”をはじめ、次の“Nuestro Planeta”など、終始体をくねくらせながらサルサのようなステップで踊り出し、注目を集める。彼女の歌声はソウルフルなのだが、曲の表情によっては太く低い声に移り変わるから、それもまたかっこいい。“Feel Like a Fool”からは、アップテンポなナンバーが続き、お待ちかね“Just a Stranger”、“Your Teeth In My Neck”など、ツボを押さえた満足感の高い楽曲たちが揃う。さらに、彼女本人の魅力に加え、バックバンドの力強さもまた、確実にパフォーマンスに貢献している。“In My Dreams”のトライバルなビート、ドスのきいた低音が響く“Tyrant”などの奥行きは、生の演奏だからこそ生まれる立体感だ。彼らも、カリウチス本人と同様とても楽しそうな顔をしているのが印象的だった。
デビュー前~今回の新作の音源を聴く限りは、R&Bシンガーというよりもドリームポップ色が強い彼女だったが、そのどれでもない、実にバランスのとれたシンガーだということに気づかされた。これからも意外性のあるパフォーマンスやコラボレーションなどで驚かせ続けてくれるだろう。