LIVE REPORTRED MARQUEE7/28 SAT
MGMT
© Photo by MASAHIRO SAITO© Text by 梶原綾乃
Posted on 2018.7.28 21:34
「懐かしい」じゃなくて、今が鳴っているんだ
MGMTが復活した。アンセム“kids”のジレンマ、自分たちの方向性と周囲の求めるものの違い、活動休止など、数々の葛藤の果てに生まれた5年ぶりの新作『Little Dark Age』は、そうしたしがらみから抜け出した(達観したという見方もあるが)先にある1枚だと思う。ネガティブがちな時代をポップに吹き飛ばす、原点回帰のタームへと突入した彼らは今、最高にいい状態だと思う。そのタイミングでの、フジロックへの出演は大変喜ばしいチャンスだ。なんと、8年ぶりだという。
レッドマーキーには、雨も相まって大混雑。30分以上前から、入場規制を感じるレベルだ。ステージは、植物が配置されていたり、神殿のような白い柱が立ち並んでいて独特の世界観を持つ。背後には巨大なスクリーン、その前方にはさらに長方形のスクリーンがセットされている。ステージは左側にベン・ゴールドワッサー(key,programing)、右側にアンドリュー・ヴァンウィンガーデン(vo,g)が立ち、その背後にジェームス・リチャードソン(gt)、ウィル・バーマン(Dr)、マット・アスティ(bs)らが並ぶ。甚平を着ていたり、甲冑を着ていたり、バランス感や意図は不明だが、日本を意識した手作り感を感じる。さっそく新譜より”Little Dark Age”、そして早速“Time To Pretend”!早速メロディの合唱が沸き起こる。気づいたらベンの後ろにはピエロのような、ムンクの叫びのような、最新アルバムのあのアートワークの立体verのフロートがむくむくと立ちあがっている。続いて”When You Die”は、ややグロテスクなあのPVが映像素材として使われ、独特な歌い回しと合わせてサイケな音楽性が一気に爆発。楽曲に合わせて点滅する照明が、雷に打たれたような感覚で、何度も死んでは生き返ってるような気分だ。キラキラと輝く四つ打ちポップ“Flash delirium”、“Me and Michael”と続き、終盤はついに“kids”!堪えていた感情を爆発させていくかのごとく、会場はとてつもないエネルギーを内包して、巨大なダンスフロアとなっていく。中盤、8小節間のループが重なっていくごとに様々な音を乗せていき、ぐっとデカいヴァースが来るのかと思いきや、スッと静寂が訪れてからのヴァース、という点も、彼らなりのちょっとひねくれた工夫だと思う。
ほかにも“She Works Out Too Much”ではアンドリューがエアロバイクを漕ぎ出しまさに「ワークアウト」な演奏をする、VJにうんち頭の人間が踊っているなど、ところどころネタの回収には困らないというか、そういうちょっとズレたところも含めて、彼らの芸術性への愛おしさを再発見するステージだった。彼らの作り出したアンセムやここまでの苦労や道のり、それらをすべてひっくるめてのMGMTなのだから、それを肯定していきたい、と強く感じた。
[写真:全7枚]
VOICES
甲冑、甚平、エアロバイクでお届けするMGMTのライブ。 #フジロック pic.twitter.com/49aJX3n6B9
— ku_yama (@ku_yama) 2018年7月28日皆さんこちらがMGMTです 中央でボーカルがエアロバイクを漕ぎ始めました 後ろにはうんこマンが見えますね 皆さんこちらがMGMTです pic.twitter.com/jMCKDfSkf8
— tova (@001_tova) 2018年7月28日MGMT置いておきます!!!!!!!!!最高でした! pic.twitter.com/HqGeaGvM3M
— さこれた (@bewith0301) 2018年7月28日フジロック2日目
— maki (@makirin_0819) 2018年7月28日
Johnny Mar→Superorganism→ホルモン→ユニコーン→Skrillex→MGMT
ユニコーンは入場規制かかったらしい…大迷惑は大合唱。EBIさんのペケペケも聞けて、アラフォーが喜んで踊るようなセトリ。
MGMTは激混みで中に入れず、どしゃ降りの中聴いてた。MGMTーーーー!!!!!!フジロックに来てくれてありがとうーーーー!!!!!大好きだよーーーー!!!!!!😭😭😭😭😭😭😭😭😭😭😭😭😭😭 #FujiRock #フジロック #MGMT pic.twitter.com/1J83BgUxKx
— 苗場にも墓を建てた芋虫ᴹᴳᴹᵀ (@_shaketori) 2018年7月28日