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FUJIROCK EXPRESS 2018

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LIVE REPORTRED MARQUEE7/28 SAT

LEWIS CAPALDI

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© Photo by MASAHIRO SAITO© Text by あたそ

Posted on 2018.7.28 17:01

若き天才に乾杯!ルイスの男臭い声に魅了された30分間

雨が上がり、空気が少し湿っぽいレッド・マーキー。パッドとベース、キーボードのサポートメンバー2人のあと、温かな拍手とともにLEWIS CAPALDIが登場する。

11時半ちょうどにはじまった頃、正直それほど観客が多いわけではなく、まばらな状態なままで、ゆっくりと“Fade”、“Mercy”が演奏される。キーボードとベースとパッド、それからルイスの声とギター。フェスで盛り上がるとは言えない不思議な3人編成ではあるけれど、シンプルな音数であるからこそ、ルイスの男臭くて力強い歌声が活かされている。曲がはじまり、30秒も経たないうちにレッド・マーキーにいる人たちがルイスの凄まじい歌に聴き入っているのがわかる。

もう何十年と第一線で活躍しているような声の持ち主である彼だが、実は1996年生まれの21歳。フジロックよりも1歳先輩なだけで、2017年にデビューしたてのまだまだ若者。ついでにいうと、Twitterでの呟きもなかなか自虐的で面白かったりする。
そんな21歳の青年が、一体どんなことをしたらこんな声を出すことができるんだろう。もちろん今回で初来日になるのだけれど、野性的でありながら寂しくもあり、そっと寄り添うような声に驚いた方も多いのではないのだろうか。演奏が終われば観客たちからは拍手と歓声が起こる。この頃には、ルイスの声を聴きつけてなのか、人がどんどん集まってくる。

後ろに掲げられた自分の名前入りフラッグを指さしながらの自己紹介が終えられ、次に演奏されたのは“Lost On You”。キーボードと2人のみの更にシンプルな構成なのだけれど、心の奥に優しくそっと触れるようなメロディーに、ルイスの声が更に伸びていく。ライブが終了した後に改めて思うことなのだけれど、この人はライブが進むにつれて、どんどん力強さが増していくタイプなのだと思った。
時に、「イイね!」のポーズをして、照れ臭そうに歌ってくれる。なんだよ、かわいいじゃないか。堂々としているのかと思えば、こんな風にお茶目な一面も見せてくれる。

アコースティックギターに持ち替え、つい先月にリリースしたばかりの“Tough”の印象的なイントロが流れるとパッドのリズムに合わせて自然と手拍子も起こる。アグレッシブに動きながら笑顔で歌うルイスは、本当に音楽の神様に愛されているのかもしれない、なんてことを思ってしまう。
そして、最後にはキーボードとルイスの2人で、“Bruises”。曲の終盤にはキーボードのメンバーがステージから捌け、ルイスが自らの歌だけで、余韻を残しながら自分のステージを終わらせていく。

LEWIS CAPALDIの曲と言えば、不器用な男が歌うような、いわゆるサッドソングが多い。フェスで踊れるような盛り上がる曲もないし、バンド編成もいたってシンプル。けれど、彼の歌声ひとつで、ガラガラだったレッド・マーキーを満員にし、聴き入っている人たちをたった30分で全員味方にした。息を飲む瞬間が、何度も何度も訪れた。今後の音楽の文化や歴史を変えてくれるような、とんでもない才能の持ち主が現れたと確信をもっていいライブであった。

[写真:全9枚]

#TAGS : 7/28 SATRED MARQUEE

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