LIVE REPORTRED MARQUEE7/28 SAT
PRINCESS NOKIA
パワフルなラップを炸裂させて女性の声を代弁するメッセンジャー
NYハーレム発の次世代人気ラッパー、プリンセス・ノキアことデスティニー・フラスケリが深夜のレッドマーキーに登場する。2016年にリリースされた『1992』が高く評価されたノキアは、女性であることを誇るようなポジティブなメッセージが多く、特に女性たちから大きな指示を集めているアーティストだ。外はフジロック史上例を見ないほどの強風が吹き荒れていたが、悪天候をぶっ飛ばす勢いでノキア嬢がステージに登場した。ロングヘアーをミディアムにばっさりカットしたカーリーヘアに上下ともチェックのハーフパンツとジャケットというスタイルもオシャレだけど、何より初っ端から体に詰まっているエネルギーを炸裂させてくるのに圧倒された。1DJ1MCというシンプルなステージでも十分に存在感を発揮させてステージを縦横無尽に動き回り、踊りながら“Brujas”“Kitana”をパフォーマンス。その注目度の高さは、大観衆のノリはもちろんだが、ステージ脇にずらりと並んだ関係者の多さからも伺える。
続く“Tomboy”ではシックなビートに乗せて「ちっちゃな胸とぽっちゃりしたお腹」と繰り返しながら、外見や体型の多様性を受け入れるボディ・ポジティブなメッセージを届けた。そしてパフォーマンスしながら観客の海にダイブ!その後も頻繁にステージ前に降りてきてはハイタッチしたり、観客に触れられながらパフォーマンスしたり、観客との距離の近さを大切にしていることが感じられた。ゴスやアニメを支えに育ったハードな生い立ちを描いた“Goth Kid”からアカペラでラップした“ ABC’s of New York”まで、ハイエナジーなパフォーマンスに盛り上がりまくったステージだったが、一つハイライトにあげたいのはノキアのメッセージ。中盤に通訳の女性を連れてきたノキアは次のように語った。「子供の頃から日本に来たかった。今回は招待してくれて本当にありがとう。皆さんに尊敬と愛を送ります。日本文化に憧れているニューヨークのストリートキッズからも、日本文化にありがとう。そして何よりも日本の女性たちをリスペクトします」この瞬間、マーキーにいた女性たちから大歓声があがったことは言うまでもない。ノキアが昨今の日本における#metooムーヴメントについて認知しているかどうか分からないけど、女性が社会的弱者にされがちで、声を上げればバッシングさえされてしまう日本社会の女性たちには、バッシングなんてぶっ飛ばす勢いで女性の声を代弁し続けるプリンセス・ノキアのような存在が必要なのかもしれない。パンチのあるラップや歌、音楽的なセンスだけでなく、メッセンジャーとして重宝されるノキアの姿をレッドマーキーで目撃できたことに胸が熱くなった。
[写真:全10枚]
VOICES
知性とアートを爆発させたような圧倒的なケンドリックラマー 、クールなんだけど温かみもある5lack、ドス声やダンスも駆使しつつ原始的で力技な(でもチャーミング)PRINCESS NOKIA。
— ユウ (@100percent_junk) 2018年7月28日
昨日のすげぇラップ三連弾の余韻を噛み締めながら、宿で強風が止むことを祈ってるフジロック三日目の朝。princess nokiaちゃんが圧倒的だったのは覚えてる
— sue魔人 (@uilluilluill) 2018年7月28日Princess Nokiaがめちゃくちゃかっこいいちゃん姉だった。時にキュートに歌い、かと思えばキレッキレのフリースタイルも。通訳を通して日本へのリスペクトも。すごい才女👏💃 pic.twitter.com/cSSOAEF3pe
— ひら (@pirasho_inc) 2018年7月28日Princess Nokiaに握手してもらえたので良しとします🤝
— masagoro 25才 (@maccaroni_MA356) 2018年7月28日