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FUJIROCK EXPRESS 2018

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LIVE REPORTFIELD OF HEAVEN7/29 SUN

平井 大

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© Photo by 北村勇祐© Text by あたそ

Posted on 2018.7.29 11:39

苗場に舞い降りた、サーフロック界のプリンス

最終日を迎えたフジロックは生憎の雨と強風。
フィールド・オブ・ヘヴンのトップバッターとして、サポートメンバーと共にゆっくりとした足取りで登場した平井大。ここ最近のサーフロックと言えば平井大の名前が挙がるようだし、その貫禄たっぷりの落ち着いた雰囲気からは想像できないのだけれど、フジロックには意外にも初登場。

まずは挨拶を、と1曲目“I SHOT THE SHERIFF”の演奏からスタート。ゆったりとした心地よいリズムにパーカッションがスパイスとなり、音楽に身を任せながら踊りたくなる。間奏部分では、前に出て、目を閉じながら気持ち良さそうにソロを弾く平井。様々な表情を見せてくれつつ、会場の温度感を確かめるようでもあった。キャッチーなメロディーラインに乗る、平井の透き通るような優しい歌声。悪天候のなかであったとしても、気が休まるというか、だんだんとステージ上で演奏されている曲に入り込んでいき、穏やかな気持ちになっていけるような気がした。

そして、会場全体からスローテンポなクラップ&ハンズが巻き起こった“RIDE THE WAVES”では、ようやっと太陽も顔を出してくれたようだった。平井の美しい裏声が、どこまでも伸びていくように苗場の大自然の中に響き渡っている。途中、シャボン玉も風に乗って、高く舞い上がり、なんだか演出のひとつであるかのよう。

優しく、心に寄り添うような“SONG FOR TWO”と“tonight”の演奏が終われば、「次で最後の曲です!」という、平井。観客からは「えー!!!」という不満たらたらの声が聞こえた。曲は確かにスローではあるのだけれど、だからこそ時間という概念を忘れて聴き入ってしまう。まだまだ平井大の生み出す世界に浸っていたい。
そんな中で演奏されたのは、5月末にリリースされたばかりの”はじまりの歌”。バンジョーにブルーハーブとアコ-スティックギターの感情的なサウンドと平井の声が混ざり合い、身体も自然と揺れてしまう。

最後には、「もう少し時間があるから、みんなで歌いたかった曲をやります!」と言い、彼の表題曲である“Slow&Easy”のイントロが流れる。手を左右に大きく振りながら、印象に残るコーラスをヘヴンにいる皆で歌った頃には、ゆるやかでピースフルな空間が広がっていた。この曲の終盤には、なかなかの強い雨が降っていたけれど、いいんだ。そんなのは関係ない。疲労の溜まり始めた3日目の朝、心地よい平井大の音楽が、心を穏やかにしてくれ、癒しを与えれくれたようでもあった。

[写真:全10枚]

#TAGS : 7/29 SUNFIELD OF HEAVEN

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