FUJIROCK EXPRESS '19

LIVE REPORTWHITE STAGE7/26 FRI

KING GIZZARD & THE LIZARD WIZARD

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Photo by アリモトシンヤ Text by 石角友香

Posted on 2019.7.26 16:22

サイケロックを更新する7人組

雨粒が大きくなったり、止むと蒸し暑かったりを繰り返す天気の中、オーストラリアの今を代表するKING GIZZARD & THE LIZARD WIZARDがホワイトステージに登場した。正直ここまでメタル寄りのクランチなギターやフレーズの楽曲、もしくはアレンジで統一してくるとは思っていなかった。なんせテン年代サイケロックの雄である。しかしこの人たち、リリースがめちゃくちゃ多いのだ。1年に複数作品リリースしたり、その内容も毎回振り幅が大きかったり。今、何を軸に据えてセットリスト組んでくるのか、ワンマンライブでもないので蓋を開けてみないと分からない。

ステージにはまずマイケル・カバナー(Dr/Perc)、エリック・ムーア(Dr/Perc)がドラムセットにつき、正確無比なツインドラムのビートを刻み始めるところからスタート。場合によっては管楽器や鍵盤も担当するフロントの3人は今回はギター専任。特に中心人物のスティー・マッケンジーはメタリカのTシャツ着用で鋭く高速なカッティングや早弾きに集中している。ユニークなのはトリプルギターで、ボーカルは鍵盤担当であるアンブローズ・ケニー・スミスも兼ね、しかも彼のブルースハープが非常にいいエッセンスになっているのだ。単にメタルやハードロックじゃないのは彼のハープ、そして機械的かつミニマルに刻まれるドラムビートのなせる技なんじゃないだろうか。

スティーの欄干みたいなユニークな形のギターや12弦ギターが目を引く上、前後に開脚してギターを弾くスタイルも彼独自のものだ。ループするリフとビートに身を任せていると確かにトランシーな感覚に包まれる。ハマった人はその場を離れない。逆に曲のバリエーションを望む人は離脱しているように見えた。それぐらい50分を通して、一つの音色、アンサンブル、ビートで生音のトランス空間を作り上げた7人。

ビートの感触が似ている“SELF IMMOLATE”を冒頭に、ラストに“PLANET 8”をセットし、ツインドラムの印象をより強く残した構成も、潔かった。サイケロックの意味やあり方は日々彼らの中で変化しているのだろう。それにしてもこれはスティー一人の脳内で完結せず、バンドで鳴らされているのは脅威だ。すっかり魅了された声は、若い男性に多かった。またフジロックのどこにでも戻ってきてほしい。

[写真:全10枚]

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7/26 FRIWHITE STAGE