FUJIROCK EXPRESS '19

LIVE REPORTFIELD OF HEAVEN7/28 SUN

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Photo by 北村勇祐 Text by 阿部仁知

Posted on 2019.7.29 01:11

ディープなグルーヴに酔いしれるこの夜の最奥地

ミラーボールが周囲の木々を照らし、幻想的な雰囲気に包まれたフィールドオブヘブン。3月の来日ツアーが全公演ソールドアウトとなるなど、テキサスの3人組への期待の高さがうかがわれる沢山の人の中、大トリのクルアンビンが登場すると、割れんばかりの拍手が沸き起こる。

トレーニングウェアのようなカラフルな衣装のローラ・リーのベースが、ラフなタッチでビート刻んでいく。そこに流れるようにスライドしていくマーク・スピアーのギターが絡み合い、妖艶でサイケなサウンドスケープが展開。そして、衣装も相まってフロントの2人が目を引きがちだが、ドナルド”DJ”ジョンソンのクレバーなドラムプレイがどっしりとバンドの屋台骨を支える。

それぞれの技量を最大限に引き出すトライアングルから、ディープなグルーヴが生まれてくる。アジアンテイストをまとったメロウなファンクサウンドを、最終日の大トリ、疲れのピークに当てられるのだ。夢なのか現実なのか曖昧になってくる陶酔感に浸りながら、身体の反応のまま踊りふけるオーディエンス。うとうと座りながら心地よく浸ってる人もいる。ここは桃源郷なのか。

こんなに踊れる音を鳴らしているのに、本人達はまるで歌謡ショーのようなゆったりとした佇まい。“Evan Finds the Third Room”では、電話を使った小芝居で「ハロー、フジロック!」と声をかけてみたり、ゆったり歩くローラとマークが交錯し、ただならぬ雰囲気を醸し出したり、クルアンビンの異様な存在感はライブが進むにつれ増していくばかりだ。

軽快で陽気なYMOカバー“Firecracker”に続いて、必殺ギターの“Maria También”が本編を締める。マークの早弾きとローラの音数の少ないベースの絡み合いがなんとも気持ちいい。ドナルドだけを残し2人が脇に下がると、割れんばかりの拍手がヘブンにこだまする。

拍手がリフレインする中、ドナルドのキックの音が聞こえてくる。スネア、タムと音数を増していき、銀ピカのセットアップを纏ったローラの登場に、再び盛大に湧き上がるオーディエンス。マークもステージに戻り、ゆったりと育て上げてきたグルーヴは最高潮を迎える。始まる前は満身創痍という感じだった僕も、最後の“People Everywhere (Still Alive)”が終わる頃には、確かな満足感に清々しさを感じていた。

[写真:全10枚]

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7/28 SUNFIELD OF HEAVEN