FUJIROCK EXPRESS '19

LIVE REPORTRED MARQUEE7/25 THU (EVE)

CIRCUS ABYSSINIA

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Photo by 白井絢香 Text by あたそ

Posted on 2019.7.25 23:18

これぞサーカス、『エチオピアン・ドリーム』!人の想像を遥かに超えた15分間

「税税税 払うぜ~」という風刺のバッチリ効いたTHE TIMERSの“税”を大音量で流すDJ MAMEZUKAが去り、今までとは雰囲気ががらりと変わるアフリカンミュージックが大音量で響き渡る超満員のレッドマーキー。

スクリーンに大きく「CIRCUS ABYSSINIA」の文字が現れると、色鮮やかな衣装に身を包んだ7人の男たちがステージの左右からゆっくりと現れてくる。
「エチオピアン・ドリーム」と名付けられた、このエンターテイメントショー。エチオピアと言えば、何を思い浮かべるだろう。マラソン?たくさんの動物たち?それともコーヒー?サーカスのイメージを持っている方は、あの会場内に恐らく誰もいなかったはずだ。
一体、この7人の男たちは、この15分間で何を見せてくれるんだろうか?ワクワクのつまった視線が、ステージの中央へと集まる。

微笑ましいダンスが終わり、2人ずつ2組が双方の腕をしっかりと持ち、準備はバッチリ。まだ幼い2人の青年が、人の腕と足の力のみを利用し、変幻自在に宙を舞う。人間の身体は、あんなにもしなやかにできているのだろうか?ステージ高くに飛ぶその姿は、まるでトランポリンを使っているかのよう。時には一回転をし、そして時には足を大きく広げ、その度に観客からはさまざまな声が挙がっていた。
2人が縦に並び、更にその上に人が飛び乗るという一面では、バランスを崩して一度失敗をしてしまうが、それもご愛敬。キュートな笑顔を見せつつ、再挑戦。天井ギリギリの高さになるほど、3人が縦にまっすぐ並んだ姿はお見事だった!観客からは大きな歓声や拍手が巻き起こる。

お次はジャグリング!蛍光グリーンのピン6本が2人の男によってテンポよくクルクルと回る。この2人、どこかで見た方もいるのではないだろうか?今年3月に公開された『ダンボ』にジャグラー役として出演していた2人の兄弟、ビビとビチュウだ。ティム・バートンだけでなく、世界中から認められたジャグリングの技の数々は目を離す瞬間が、まるでない。
どんなに鋭くピンを投げても、地面に寝転がっても、そしてどんなリズムだったとしても兄弟の手元へと必ずピンが戻る。磁石でもついているんじゃないだろうか?そんなことを思わずにはいられない。リズミカルなピンさばきは、見ているこちらも心地のよいものだった。

妖艶な音楽とともに、最後の登場したのは女性の2人組。ブリッジの体勢になり、観客の元へとゆっくりと歩いてくる。
身体を反り、足は顔の真横にある。円にも近い形になる2人の女性が上下に重なり、ゆっくりと動き出す。一方のお腹の上に、もう一方が手を付き、縦に連なっている。下にいる女性が足を地面から離しても、はたまた上の女性が足を頭上まっすぐに伸ばしても、まるでそこにあった置物のように姿勢がまったく崩れることはない。
後ろの方からは、「何をしているか全然わかんない!」なんて声を聞くこともあった。想像もできないかのような姿で2人が重なり合い、腕や足、腹筋の力のみでバランスよく立ち上がっているその姿は、しっかり目に焼き付け考えながら見ていなければ、確かに何をしているのかわからない(笑)身体のしなやかさもさることながら、2人の絶妙なバランス感覚が織りなすショーは、緊張感を保ちつつも、人の想像を超えた3分間でもあった。

最後は、バク転やバク宙をしながらステージに全員が大集合!白い歯がくっきりと見える笑顔がさわやかで眩しい。己の身体を遣い、シンプルながらも『エチオピアン・ドリーム』という新たなサーカスの一面を垣間見せてくれた11人のメンバーに、温かな歓声と拍手が送られた。

[写真:全6枚]

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