MOREFUNAREA REPORT7/29 – (AFTER)
自由なフェスで在り続けるために~改めてOSAHOについて考える~
Photo by Yusuke Baba(Beyond the Lenz) Text by 長谷川円香
Posted on 2019.7.31 22:39
主催者と参加者が一緒に作り上げるフェス
日本のロックフェスの先駆けとなった「FUJIROCK FESTIVAL」。1年目、2年目、3年目と会場が移り、苗場で開催されるようになって21年目となりました。日本人も海外から来たお客さんも、大人も子どもも、みんなが一緒に過ごせるフェスになったと思います。
その一方で、ゴミ問題・椅子やテントの放置問題、畳まずに椅子を持ち歩くなどといった問題も出てきているのも事実。
会場を歩くといたる所に落ちている食べ物のトレーやビニール袋、空のペットボトル…。そして、会場内に放置された椅子の数々。フジロックが終わった月曜日には「テントの放置があった」とエキスプレススタッフの投稿もありました。
かつて、海外メディアから「世界一クリーンなフェス」と讃えられたフジロック。それは、参加者一人ひとりの意識と行動が作り上げた、新たなフェスの形でした。
一方、現在のフジロックはどうでしょうか。もちろん、多くの人は食べ終わったら、ゴミステーションにゴミを捨てに行っていることでしょう。事実、期間中にゴミステーションのスタッフさんに話しを聞くと、「みなさん快く分別に協力してくれています」と話しをしてくださいました。
しかし、残念ながら会場には多くのゴミが落ちていることも事実。必要なくなったモノをほんの一部の人がそのまま放置してしまっているのです。
もちろん、ポイ捨てはいけないことです。SNS上で現状を嘆くことも一つの手段です。しかし、そういった“放置”が起こらないように、その場で声かけをすることも、一つの行動なのではないでしょうか。もしかしたら、海外から来たお客さんは分別が分からずにその場に放置してしまったのかもしれません。昨年、KEENブースに取材に行った際に「海外では、歩きタバコが当たり前のエリアもある」といった話しも聞きました。国が違うと、文化や習慣は異なります。
フジロックは多様性が受け入れられている世界。多様な人がいるということは、多様な価値観がその場に在るということ。一概に「だからダメなんだ」とレッテルを貼るのではなく、「価値観が違うのかもしれない」と考えることが、明るいフジロックの未来に繋がっていくのではないでしょうか。
放置された椅子も同じことです。公式HPでは下記のような注意書きがあります。
レジャーシートやチェアを場所取りに使用したり、場内に放置することは禁止です。
他の来場者の迷惑になるため、必ず携行してください。
※RED MARQUEE、BLUE GALAXYテント内でのチェア等の使用は禁止です。
しかし、このページを見ないまま、フジロックに来てしまった人もいるかもしれません。事前に読んでおいて欲しい箇所ですが、来てしまった以上、それは仕方のないこと。知らないことを責めるのではなく、今からあなたがこの注意書きの内容を伝えてみませんか?だってここは、みんなが大好きなフジロックなのですから。
「自分のことは自分で」「助け合い・譲り合い」「自然を敬う」
この3原則を頭に入れて、自分自身を振り返り、そして少しだけ周りの人のことを見て、必要であれば声をかけてみてください。自分で声をかけることが難しければ、スタッフに伝えることも手段です。
フジロックは主催者だけが作り上げるフェスではありません。主催者と参加者が一緒に作り上げるフェスです。
いつの日か、OSAHOを提唱せずとも、「世界一クリーンなフェス」の看板をきっちりと掲げられる世界になるよう、みんなで一緒に文化を築き上げていきましょう。
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