FUJIROCK EXPRESS '21

LIVE REPORTGREEN STAGE8/22 SUN

電気グルーヴ

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Photo by MITCH IKEDA Text by 阿部仁知

Posted on 2021.8.23 03:25

フジロックにおかえり電気グルーヴ!

会場でどれだけ彼らのTシャツを見たことだろう。 2016年のグリーンステージで20周年のクロージングを飾って以来のフジロックとなった電気グルーヴ。僕にとって彼らは、「フェスに行ったらいる人達」だった。洋楽邦楽の区分を問わず様々なフェスに出演し、会場で「お、電気やってるやん!」くらいのノリで観たり観なかったりする。彼らが当たり前のようにいる安心感。熱心なファンはもとより、そんな距離に電気グルーヴがいたフジロッカーも多いのではないだろうか。それだけに2020年のラインナップからキャンセルとなり音源が販売停止になったことはとてもショックだったし、石野卓球とピエール瀧の帰還を待ち望んでいたフジロッカーの数は計り知れない。

SIAが流れる21:30過ぎのグリーンステージ。大将こと日高正博氏が登場し、この「特別なフジロック」に集ったフジロッカーを労う。「3年振りのギグ、最高のエンターテイナーを大きな拍手で迎えてください。世界に誇れる日本のアーティストです!電気グルーヴ!」と紹介し、ついに電気グルーヴの登場だ!注目のセットははじめから“Set You Free”。昨年の配信『KEEP ON FUJI ROCKIN’』で発表された曲から再びフジロックの歩みをはじめるのはなんとも感慨深い。 続く“人間大統領”では「吉田サトシ大統領!agraph牛尾大統領!」とサポートの2人を紹介し、祝祭の準備は万端だ。

無造作に設置された3つのキューブ状の物体に、色鮮やかな様々なモチーフが映るステージセット。ヘッドライナーだけに、いつもの電気グルーヴのステージとは一味違っている。“Shangri-La”では集った人々が手を振り上げ早速盛り上がりを見せるグリーンステージ。卓球は「恥ずかしながら帰ってまいりました!」と瀧と肩を組み、オーディエンスはあたたかい拍手で迎える。この瞬間をどれだけ心待ちにしていたか。続く“Missing Beatz”では5年振りのフジロックに顔見せをするように、卓球と瀧はステージを歩き回る。

ずっしりとしたビートは“モノノケダンス”だ!数時間前にここでMISIAのサポートも務めた吉田サトシもロックバンドさながらのギターを炸裂させ、ダンスミュージックにアクセントを加えている。エレクトロのグルーヴ全開の“Shame”の「罪無き者にも裁きを!」なんて自虐で言ってんのかと思ったものだが、これが成り立つのは瀧だからだよな。“B.B.E.”では苗場の森に投影するレーザーもガンガン出てきて、パーティーはさらに賑やかになっていく。

卓球がホイッスルを吹き鳴らす“Shameful”では瀧が身振り手振りで鼓舞し、スペーシーなサウンドと映像が光る“Fallin’ Down”ではみんな手をあげて手拍子。瀧も卓球もただただ奔放に楽しんでる。そしてみーんな踊ってる。いや、ぼーっとしてる人も寝てる人もいるが、あらゆる過ごし方が折り混ざるのがグリーンステージの懐の深さだし、そんな中で鳴り響くダンスミュージックのなんとあたたかいことか。瀧ははしきりに前方のオーディエンスを指差しサムズアップ。ああ、たまんねえ。この2人にハーモニーとかいうのもバカバカしいが、瀧と卓球が歌声を重ねる“Upside Down”もグッときたし、炎の映像が映える“MAN HUMAN”は瀧を見せつける時間。微動だにしない男の後ろで抜群に踊れるサウンドが流れているのも奇妙なものだが、こういう可笑しさも電気グルーヴだ。

終盤の“Flashback Disco (is Back!)”でさらに盛り上がるグリーンステージ。みんな喜びを爆発させてるなあ。瀧の頭の上に構えたマイクに向けてカンカンならす卓球、そして2人はハイタッチ!なんなんだこのオッサン達最高じゃないか。そして“N.O.”でまたグリーンステージを埋め尽くす、波のような手、手、手!正しさを求められ続ける世の中、2人のダメな大人はなんとかっこよく見えることだろう。それでもちゃんとソーシャルディスタンスなんだから、ここまで残ったフジロッカーの気合も凄いものだ。

「日本の若者のすべてがここに集まっています」なんて流れてくる“レアクティオーン”。そんなのえらいこっちゃという感じだが、聞いたところによるとYouTubeでもかなりの人が観ていたらしいじゃないか。そしてここグリーンステージではじめて電気グルーヴを体験した人も多かっただろうが、きっと「私ってこんな楽しみ方ができたんだ」なんて新たな自分に出会えたことだろう。そうだよ、これが電気グルーヴだ。

最後は「フッジッサーン!」がみんなの心を駆け巡る“富士山(Techno Disco Fujisan)”で、アンコールもなく一気に駆け抜けていった電気グルーヴ。あっという間だったな。あえて大袈裟に伝説というほどの感動的な演出があったわけでもなく、ただただエンターテイメントをまっとうした電気グルーヴだが、その一挙手一投足から愛を感じたものだ。

踊りたかった曲はまだまだたくさんあるけどそれはまたの機会。2019年の朝方の一番最後に“虹”が流れたあの奇跡のような時間を、ここからまた来年以降の「ノーマルなフジロック」で目指していこう。2人とともにまたそんな夢を描いていける喜びを誰もが心から実感する、今年のフジロックを象徴するような祝祭がここにはあったのだ。改めて最後に、フジロックにおかえり電気グルーヴ!

[写真:全10枚]

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8/22 SUNGREEN STAGE