LIVE REPORTGREEN STAGE8/22 SUN
MISIA
Photo by Yuki Kuroyanagi(公式写真) Text by あたそ
Posted on 2021.8.26 08:00
最新曲から名曲、カバーまで!MISIAの魅力が溢れ出る!
バックバンドのメンバーたちが位置につき、トランペットにトロンボーン、サックスの管楽器のメロディーが気持ちのよい演奏に観客たちのクラップ&ハンズ。このステージの主役が出てくるのを、今か今かと待っている。ド派手にスモークが焚かれ、ライトブルーの衣装を身に纏ったMISIAがステージに登場すると、温かな拍手が送られる。
2019年のWHITE STAGEでも、初登場でありながら素晴らしい演奏を見せてくれた。さて、今年の1曲目はなんだろう?と思いながら、ステージを眺めていると、歌われたのはなんと“君が代”だった。オリンピック開会式で歌った姿が記憶に新しいが、まさかフジロックで聴けると思っていなかった。もちろん、凄まじい声量で力強く歌われる国歌には鳥肌が立つ。ちなみに、フジロックで“君が代”を歌ったのは、忌野清志郎に次いで2人目である。
“Welcome One”は今年リリースされたばかりの一曲。女性ダンサー2人が左右で踊り、視覚的にも楽しめる。名曲“陽のあたる場所”では、目の前にいる観客たちの反応を楽しむべく、ステージを歩き、手を振りながらも相変わらずの歌唱力を保ち続けるMISIA。アーティストやバンドの価値は歌の上手さだけでは決まらないけれど、MISIAは上手い・下手すら超越している。この人、身体すべてが声帯なんじゃないか?改めて言う必要もないかもしれないが、日本中を魅了した声は伊達じゃない。それだけで説得力があるのだ。
“Smile”、“Over The Rainbow”とカバーが続くと、ゆっくりと“Everything”のイントロが流れる。会場にいた方、配信を見ていた方のなかにも、期待していた方は多いのではないだろうか。もう何度も聴いてきた1曲ではあるけれど、実際のMISIAの声量をリアルに感じると、彼女の持つ歌のパワーに圧倒される。
ピアノの音が丁寧に切なく響く“アイノカタチ”に、恐らく今年のフジロックでもっとも高い高音をポップに響かせた“好いとっと”。“Can’t take my eyes off you”のカバーも嬉しい。思わず、身体を揺らし、ステージを見入ってしまう。それから、題名通り、レインボーの照明が眩い”SUPER RAINBOW”でも圧巻の歌声には、思わずうっとりとしてしまう。
バンドメンバー紹介のあとは、最後の曲の前に「言いたいことはこれだけ」という前置きのあと、咆哮の如く叫ばれた「コロナのバカヤロー!!!」という声。MISIAといえば、素晴らしい声域に声量であるが、普通に叫ぶだけでもこんなに馬鹿でっけえ声が出るのか……。どうやら、ホワイトステージ辺りにまで声が届いていたらしく、こんなMCひとつを取っても改めて素晴らしいシンガーだということを思い知る。
それから、“歌を歌おう”を力いっぱい歌い、ステージを去っていくMISIA。この曲は、8月21日から行われた24時間テレビのために作られ、その日にリリースされた最新曲である。「歌を歌おう」「涙はこれで終わりにしよう」という前向きな歌詞は、今の時代の希望となる歌であるように感じられた。しっとりとしたバラード調は最後にはちょうどいい。
昨日リリースされたばかりの超最新シングルから誰しもが知っているであろう名曲、カバーまで、少しでもMISIAを知っている人であれば十二分に楽しめるド直球のステージになった。
[写真:全4枚]