LIVE REPORTGREEN STAGE8/22 SUN
Awesome City Club
オーサム・エンターテインメント・シティ!
最終日、グリーンステージのトップバッターを飾るのはAwesome City Club。ステージ上部には緑と花の巨大なリースが掲げられていて、下手にはビニールプール、上手にはベンチと、なんだかにぎやかなステージの予感がする。3人のコーラスと、キーボード、ドラム、ベースという編成のもと、atagi(Vo&Gt)、PORIN(Vo)、モリシー(Gt)が舞台に登場。3人とも緑色に統一されたファッションだ。
「おはようございます!Awesome City Clubです!」と始まったのは“夏の午後はコバルト”。ビニールプールに現れたダンサーがバブルガンでしゃぼん玉を放っていくと、PORINとatagiのハーモニーがばっちり決まって、会場は一気にハッピーな空気に包まれていく。ここで新たに4人のストリングスがメンバーに加わり、13人という大編成にパワーアップ!「今日最高の景色を見に行きましょう」とatagi。
“GOLD”が始まると、待ってました!とばかりの大きな手拍子が会場に響き渡る。そのまま“アウトサイダー”では、コーラス隊と一緒に右に左にとステップを踏むPORINのなんと楽しそうなことか。何重にも分厚くなった圧倒的サウンドスケールで、観客を魅了した。“青春の胸騒ぎ”はゆったり伸び伸びとした苗場の昼下がりにちょうどよく合うし、“color”の息のあったコーラスワークもまた癒やされるのだけど、今日は“Don’t Think, Feel”からの流れが素晴らしかった。もう曲名の通りなのだが、着席していたストリングスまでも立って踊ってのお祭り騒ぎ。奏者から観客までが全身で感じる、ソウルでファンクな巨大ナンバーに化けていた。続いての“今夜だけ間違いじゃないことにしてあげる”もまた、会場が一体となって盛り上がれる曲だった。空にぐるっと輪を書くような振り付けが楽しいが、モリシーの鋭いサウンドも差し込まれたりして、多角的なアプローチを感じられる。atagiとPORINが立ち位置を入れ変えながら歌う姿は、ミュージカルで恋の駆け引きでも見ているような気分だった。
中盤には、すっかり彼らの代表曲となった“勿忘”も披露された。みんながもう何度も聴いているであろうこの曲、会場の空気感で咀嚼すると、ずいぶん違う曲になるんだなと思った。静かでまっさらな空に響き渡る2人の力強いハーモニー。かと思えば、13人の厚みが総動員されて、ぐっとロックになっていく。静と動の使い分けや、言葉と言葉の絶妙な間も効いていて、バラードというよりはロックなナンバーに仕上がっていた。
最後は「みんな元気でいてください、また会いましょう」と“Lullaby For TOKYO CITY”。メンバー全員がギターを構え、笑顔をこぼしながら演奏するその姿は、音楽への喜びと未来に向けての祈りが詰まっていた。総勢13人のビッグステージ、いまのAwesome City Clubのエンターテインメントが全部詰まった、現在の集大成的ステージだった。
[写真:全10枚]