LIVE REPORTRED MARQUEE8/21 SAT
DENIMS
10年越しの夢を乗せて、今日も僕らは踊りましょう
Mega Shinnosukeに続いて踊りたい僕らを待っていたのは、関西インディーシーンを代表するバンドのひとつとなったDENIMS。今年から新メンバーの土井徳人(Ba)を加え、さとうもかとのコラボレーションなど活動の幅を広げる彼らのパフォーマンスを観ようと、レッドマーキーには多くの人が詰めかけた。前身のバンドのAWAYOKUBAとしてルーキーで出演した2011年から10年、苗場食堂に出演した2016年から5年という節目の年のレッドマーキーのステージは、彼らにとっても思い出深いものとなっただろう。
Sly & the Family StoneのファンキーなSEに乗せて登場した彼らは、このステージで音を合わせる喜びを噛みしめるように“Crybaby”、“Goobye Boredom”と立て続けに披露。岡本悠亮(Gt)のキャッチーなギターリフが映える軽やかなダンスロックに身を委ねていると自然と身体が動き出す。一転してストイックなビートを刻む最新リリースの“RAGE”は、バンドサウンドの広がりを感じたものだ。
「ルーキーから10年かかってレッドマーキーに立てました」と感慨を語る釜中健伍(Vo / Gt)。続く“fools”でも、ずっと追ってきた人もはじめて観る人も自由なフィーリングを交錯させる姿がなんとも愛おしい。主催イベント『ODD SAFARI』のTシャツを着たファンが手を振りあげていたのが印象的だった。そして「自分自身を認めて愛して先に進んでいこうという決意の曲」と語る“I’m”やワルツ調の“虹がかかれば”では、ピアノを弾き語る釜中。リズムピアノと哀愁のギターが映える楽曲にオーディエンスは聞き入っている。
「昨日はゆっくり寝てDENIMSに備えてくれたことでしょう」なんて語る岡本の軽口も微笑ましい。レッドマーキーで観たザ・クロマニヨンズの思い出や、フジロックに向けてギターをローンで買ったことなど、このステージにかける想いが伝わってくる。「バンドの未来もフジロックみたいな野外フェスの未来もまだまだ明るいということを伝えたい」と語るのは、同様にローンでギターを買ったという釜中。バンドみんなでコーラスを歌った“そばにいてほしい”には、ここに集まった人々にとってライブハウスやバンドたち、フジロックがどれだけ大切かを共有するようなアンセムが鳴り響く。
そして「5年前の再現してくれますか?飛沫飛ばさへんようにやるので俺らとステップ踏んでくれますか?」と投げかけ“DAME NA OTONA”を繰り出すDENIMS。メンバーとともに左右にステップを踏む、なんだか可笑しくなっちゃうようなノリもDENIMSらしいが、“INCREDIBLE”の畳み掛ける釜中のヴォーカルや、ワウを効かせたギターが生み出すグルーヴも彼らの持ち味だ。縦ノリも横にグラインドするノリも混在する懐の深いバンドサウンドに身を委ねて、レッドマーキーは解放感に浸る。代表曲の“わかってるでしょ”で最後まで踊りきったレッドマーキー。新加入の土井も随所で存在感を示し、新生DENIMSの次のステージがはやくも楽しみになるライブだった。
[写真:全10枚]