FUJIROCK EXPRESS '21

LIVE REPORTFIELD OF HEAVEN8/21 SAT

THE SKA FLAMES plus Special Guest 元ちとせ

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Photo by 平川啓子 Text by 三浦孝文

Posted on 2021.8.22 03:14

再び苗場の地でスカビートを浴びる幸運

 フィールド・オブ・ヘブン(以下ヘブン)での歓喜のステージで魅せてくれた光風&GREEN MASSIVEのステージ完了後、フジロック会場全域をぶ厚い雨雲が覆い、今年のフジロックで一番の豪雨に見舞われることになった。

 ここヘブンに登場するのは、日本にスカという音楽、文化を根付かせた立役者たるバンド、THE SKA FLAMES。今回は鹿児島県奄美大島の歌姫、元ちとせとのコラボステージということもあってか、雨が降りしきる中、サウンドチェックの段階から多くのオーディエンスがステージ前に集まってくる。

 3サックス、トランペット、トロンボーンのホーン隊、ベース、ドラム、パーカッションとキーボードのリズムセクション隊と、2ギターの総勢11名が一斉に音を出力し、賑やかしな”屋仁川ブルース”(やんごぶるーす)からスタート。即スカダンスで反応するオーディエンスも最高だが、何より最高なのはバンドメンバーたちの嬉しくてしょうがない!様があふれ出ている笑顔だ。幸せを感じるのはこういう瞬間。フジロックではこんな瞬間に何度も立ち会うことができる。本当に大切な場と時間だ。

 浴衣姿の伊勢浩和が暖かい歌声で歌い上げる”Everytime I Wanna Think About You”で、ホーン隊の全員とギターの宮崎研二を紹介し、それぞれが必殺のソロパート繰り広げる。トロピカルな南国風の音満載の”I’ll Close My Eyes”に呼応するかのように雨脚が弱まっていく。「フジロック、雨あがったぜー!」と嬉しそうに叫ぶ伊勢。集まったオーディエンスを気遣うからこその喜びの表現だ。

 1stアルバム『Ska FEVER』をプロデュースした、ギャズ・メイオールの名物イベント、「Gaz’s Rockin’ Blues」の40周年を祝し、ザ・スカタライツの曲”Reburial”を披露。間違いなく本セットのハイライトのひとつ。音が一丸となって全身に浴びせにくるオーセンティックスカ然としたバンドアンサンブルがたまらない。これにのれないやつなんているのか?いるわけがない。フロアのあちこちにスカダンスの嵐が吹き荒れたのだから。やはりフジロックとスカはベストマッチとしか言いようがない。ザ・スカタライツにリコ・ロドリゲス、東京スカパラダイスオーケストラなどなど錚々たる面子がここでスカを表現してきた。苗場の地にその極上のバックビートが染み込んでいるからなのではないかとすら感じられるほどスカが自然に響き渡るのだ。

 故郷の奄美大島を想って作られた”奄美ワルツ”から”Uncyaba”へ。間奏部で満を持して元ちとせが登場。めちゃめちゃ楽しそうに、ずっと笑顔で身体をホップさせ揺らせている。特に次の”ワダツミの木”のこぶしは凄いの一言。完全に圧倒されてしまった。発声の緩急と音程の上げ下げの細やかなことと言ったら!一体どうやったらあんな節回しが可能なのか…。たった2曲だったが、歌姫元ちとせの本領を十分に堪能した。

「来年も開催できるよう、みんなで頑張っていきましょう!」と”Rip Van Winkle”から”Tokyo Shot”のキラーチューン2連発で、スカという生でこそ活きる音楽の楽しさ、素晴らしさ、そして愛を表現しきってステージを後にした。

 やっぱりリアルなライヴは最高だ。演者とオーディエンスの生のコミュニケーションで奇跡の場を創る。これは何ものにも代え難い、生きている証のようなものだ。そして、握手やハグをして楽しさや喜びを表現し合いたい。そんな、かつての当たり前に戻るにはもう少し時間がかかるかもしれない。幸運にもフジロックの現場で、最高なライヴを体験した我々は、何をするのか?少なくとも頑張っている誰かを誹謗中傷したりすることではないだろう。スカフレイムスのライヴでみんなで創り出したあの空間、グッドヴァイブスを分かち合い、人と、生きるこの世界と関わっていきたいよね。

[写真:全10枚]

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8/21 SATFIELD OF HEAVEN