FUJIROCK EXPRESS '23

LIVE REPORT - WHITE STAGE 7/30 SUN

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Posted on 2023.7.31 01:08

ここに来てよかった!思わず笑顔になっちゃう幸せなひと時

フジロック3日目の朝方10時頃の話。今日のタイムテーブルで一際存在感を放つ、スターダスト・レビューの名前がずっと気になっていた。

名前は昔から知ってたけど、曲もどんなライブをするのかもほとんどよく知らない。でも2018年のMISIA昨年の鈴木雅之などもしかり、そういうアーティストのステージに足を運ぶと、想像もしてなかったくらい素晴らしいライブだったなんてことは、フジロックではよくあることだ。幸いなことに、時間的にも体力的にも足を運ぶ余裕がある。これはもう観に行くっきゃないんじゃないか?

そんな感じで観ることを決めて、急遽訪れたホワイト・ステージ。一昨日Tohjiはこの場所で歌ってたのか…なんて思いながら12時半過ぎにPAブース前に到着すると、前方には多くの人が詰めかけている。僕のような好奇心で観にきた人もきっといることだろう。サポートメンバーを加えた5人のバンドが登場すると、待ってましたとばかりに拍手に包まれるホワイト・ステージ。当然のことながら、長年出演を待ち侘びていたファンもたくさんいるのだろう。歓迎ムードがとてもあたたかい。

根本要(Vo / Gt)が「風が気持ちよくて今日のライブは楽しみだー!以上、発声練習でしたー」とアドリブ気味に柔らかく歌い、始まったのは誰もが知るあの名曲のカバー“AMAZING GRACE”。声が気持ちよく空に伸びていく5人のアカペラ合唱に、無事最終日を迎えられたことを感謝するような厳かな気持ちになる。続いて演奏した“夢伝説”では、ライブ前に会場SEで流れていたTOTOの“Africa”も彷彿とさせる煌びやかな80sシンセサウンドに彩られ、少ししゃがれた根本の歌声が優しくホワイト・ステージを包み込む。

目を細め、とてもいい笑顔で歌う根本の姿を見ているだけで、なんだか自然と僕も笑顔になってしまう。甘いコーラスワークが冴えわたる“今夜だけきっと”でも、あたたかいバンドサウンドが苗場の空気に染み渡るようで、近くで嬉しそうに手拍子をしている60代くらいのご夫婦の姿が印象的だった。

「嬉しいなあ、何度も見に来てるけど、満員の会場見たら泣きそうになった」とフジロック初出演の感慨を語り、「MCは控えてくれって言われてるから、これはMCだと思わないでくれよ頼むから」と歌うように続ける根本。「知ってる曲ねえだろきっと」と自虐的な様子は笑いを誘ったりもしたが、「とりあえず一番有名だと思われる曲」と次の曲を紹介し、「天国のお父さんお母さん、フジロックで歌えるようになりました」と語ると大歓声が巻き起こった。この曲はさすがに知っていた。“木蘭の涙”だ。

ピアノの伴奏とともに感じ入るように歌う根本の、情感豊かな声が空に消えていく余韻を噛み締める寂寥感。僕も亡くなった大切な人がふと重なり感極まってしまう。しっとりと歌い上げた根本に贈られる惜しみない拍手。ここに居合わせられた幸福にうっとりとしてしまう、とても素敵な時間だった。

「申し訳ないな、こんな暑い中お茶も出さずに」とまた笑いを誘い、後半は3人のホーン隊が登場。総勢8人となった“AVERAGE YELLOW BAND”では、間奏で軽快なステップを踏んだりウィンドミル奏法みたいに下手の5人が腕をぶん回したりと、先ほどまでと打って変わって一気に華やかになったバンドサウンドに僕らも大興奮。

身体をくねらせるファンキーな演奏が光る“HELP ME”でも、間奏でブルージィな哀愁を奏でたかと思えば、ホーン隊はチューチュートレインみたいなことをしたり、根本もボイス・パーカッションをはじめたりと、だいぶはちゃめちゃになってくる。後方のバンドロゴの〜SINCE 1981〜がなんとも説得力を持って見える、様々な引き出しを惜しみなく開放してくるのだからこれはたまらない!

「祭りだ祭りだー!」と“オラが鎮守の村祭り”が始まる時に「埼玉県」と書いたタオルを持ったお客さんがカメラに抜かれていたのが面白くて思わず笑ってしまったが、後で調べるとメンバーの出身地なんですね。そしてサンバのリズムに乗って広がるように5人がステージ前方へステップを踏み、決めポーズ!なんて楽しい時間なんだ!

“Get Up My Soul”では、Wow Wowのシンガロングとともにホワイト・ステージに集ったみんなが波のように手を振り、最後は「フジロックのためにこの曲を作ってまいりました」と“苗場ネオン・パラダイス”。本来はネオンの光る銀座の曲のようだが、「なえーばー」と歌った瞬間に太陽に照らされ草木が輝く苗場の曲になるのだから、懐の深さがものすごい。

でかでかと表示される「ウッ!」に合わせて何度も「ウッ!」と拳をあげるのをみんなで楽しんで、最後は「フジーローック」と歌い変え大団円。初めて観た人も往年のファンも巻き込んで、誰もが思わず笑顔になるとっても愉快な時間は、あっという間に過ぎていった。いやー、楽しかった!ほとんど予備知識もなかったけど、フジロックはこういう出会いが嬉しいんだよな。ここに来て本当によかった!ありがとうスタレビ!

[写真:全10枚]

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7/30 SUNWHITE STAGE