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FUJIROCK EXPRESS 2018

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LIVE REPORTWHITE STAGE7/29 SUN

MISIA

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© Photo by 安江正実© Text by あたそ

Posted on 2018.8.3 15:16

空高く舞い上がるように響き渡る、5オクターブの歌声

例えば、全く音楽に興味のない会社の上司や友達に「今年のフジロックは誰が出るの?」なんて尋ねられたとき、「ボブ・ディランとか、エレカシとか、MISIAですかね~……。」なんて答えた方も多いだろう。
今年、デビュー20周年を迎えたMISIA。なんと湯沢・苗場へと会場を移したフジロックとは同い年。知名度はあるし、何曲かも知っている。しかし、ライブそのものを見るのは初めてだったという方も、同じくらいいただろうと思う。

Ed Sheeranの“One”が流れるなか、開始時間より少し前に登場したのは白い衣装を身にまとったサポートメンバーの6人。力強いドラムのリズムが鳴り出せば、颯爽とMISIAが登場する。この日のMISIAは白と黒のドレッドヘアに白いドレスといういで立ち。彼女が動くたびに、髪もドレスも、同じように揺れている。

まずは、“BELIEVE”。しっとりと歌う声すらも安定していて、思わず鳥肌が立つ。もちろん、気温が低いからではなくて、彼女の持つ声量が、直接的に触れてくる。心を震わさずにはいられないのだ。

“真夜中のHIDE-AND-SEEK”では、トランペット、トロンボーン、サックスのそれぞれのソロが、MISIAの声に負けないくらい、空に高らかに響く。管楽器のいるMISIAのバンドセットは、ライブで聴くと音源と比較すると、野性的にも開放的にも聴こえる。自然と空が広がる空間で聴くには格別であった。

18時半、夕暮れ時で空が赤く染まり始める頃、音源と比較して少々ゆっくりとしたテンポでスタートしたのは“オルフェンスの涙”。少しも容赦することなく浴びせられるMISIAの圧倒的に力強い声に、空に高く伸ばされた手。神様とか天使とか悪魔とか、何かが降りてきてもおかしくはなく、まるで一種の儀式のようでもあった。朝から吹き続けている強い風、奇妙に揺れている木々たちも、その儀式の演出に見える。

“つつみ込むように…”なんて、まさかあの人間離れした高音域を生で聴けるなんて思ってもいなかった。高いヒールを履いてはいたけれど、MISIAの身長は153センチ。一体、あの小さな身体のどこにあの高音域を出す力が眠っているのだろう。
途中、コール&レスポンスも起こるのだが、MISIAが要求する声の高さがどんどんエスカレートしていく。実際に、MISIAの声と同じ高さを出してみると、はっきりとした高音でステージに声を戻すには難しく、どれだけ高度なことをしているのかがよくわかる。あんな声、簡単に出せないよ!最後は、“MAWARE MAWARE”を高らかに歌い、手を振り、投げキッスをしながらステージを去っていく。

大自然の中で聴く、5オクターブの声に、美しいビブラート。そして、記憶のなかに染み付いた曲たち。50分間のなかで、理由もなく何度も泣きそうになる。
髪と衣装を揺らしながら、サポートメンバーを携えながら己の声ひとつだけで人を魅了してしまうMISIAは、なんて強く、美しいのだろう。

[写真:全4枚]

#TAGS : 7/29 SUNWHITE STAGE