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前夜祭一発目、「一年分」の憂さを発散せよ!

前夜祭のステージにしゃしゃり出てくる熱っぽいオッサン(注:ウチらfujirockers.orgのボスでもある、花房浩一)の「おかえりコール」の後に出てきたのは、ベラキスだった。

「おかえりー!」の後に、海外アーティストが「コニチワー、フジロック!」と言うのを、僕らは1年待ったんじゃあないだろうか? 既に「流れ」が出来上がってて、何となく言う事はわかっているんだけれども、それでもやっぱり期待してしまう。「水戸黄門」とか、「遠山の金さん」のような、お決まりのパターンを『待つ』感覚がある。

フジロッカーズにとっては、「正月」と「盆」に並んで、重要な『フジロック』の期間。この日は一年もの間、溜めにためたストレスを一気に解消する場でもある。

前夜祭も入れれば「日数」は四日間だけれども、そんな細かなことを祭りの最中に気にするのは野暮ってもの。ケータイを切ってたとしても、人と繋がっていられる日々の始まりを大いに楽しめばいい。皆が同じレベルで「バカ」になれる週末の幕開け。それは、俗世のしがらみを脱ぎ捨てる数少ない機会といって間違いない。

ぶち上がって、汗だくになれば、仕事に追われる日常を忘れられる、そんなことを、オーディエンスのみんなが、さも当たり前のように求めている。17号からの光景…月夜野経由ならばプリンス、湯沢経由ならばグリーン・ステージが見えた瞬間に、僕たちは、えもいわれぬ感情が芽生えたはずだ。前夜祭のトップバッターは、それなりのプレッシャーがあるのだ。

、「リンゴ・スターの孫娘がいる」という事ばかりが取り上げられがちだけれども、蓋を開けてみれば土臭さも、力強さも持ったバンドだった。言葉を発すれば、条件反射で奇声をあげてしまうような極めて敏感なフロアに、90年代以降のUKミュージックシーンをなぞるかのような「ロック」が響き渡った。

ドラムセットとは別に、ステージ前方に置かれたフロア・タム。その乱打には土臭さが漂い、そこに多い被さるようにギターが突っ走る。変わるがわるのヴォーカルは、まるで飽きさせない。フジロックの封切りを告げる火付け役として申し分のないライヴをかまし、オーディエンスの体をゆさぶっていた。

フジロックのつかみとしては出来過ぎなライヴを繰り広げたベラキスは、弱りかけた日本に対して、とてつもない勇気と力を与えてくれたのだった。


文:西野太生輝
写真:深野輝美 (Supported by Nikon)
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