前夜祭、3バンド目を務めたZIGZAG。1980年にラモーンズが初来日した時に、京都・大阪公演のオープニングアクトを務めたのは有名な話だ。そんなポスト村八分とまで言われたZIGZAGだが、INUやモッズ、ルースターズなどと肩を並べて走った80年代初頭、こつ然と活動休止した。オリジナル・メンバーであるヒロシ(v,g)とマーク(drs)がサポート・ベースにラフィン・ノーズのPONを迎え活動を再開。その年のフジロック前夜祭にも出場している。そして今回、再度前夜祭に出場。サポート・ベースに元ルースターズの井上富雄を迎え、ヒロシの「ロックやるぜー!!」のかけ声とともにレスポールから流れる骨太サウンド。ストレートなロックンロールに魅了された人も多いのではないだろうか。MCの無いまま3曲ぶっ通し。ようやくのMCでは、「楽しんでるか?おいーー!」のみで、そのまま4曲目に。若いお客さんはほとんど彼らのことを知らないだろう。しかしZIGZAGが奏でる男気あるロックンロールは30年たってもまだまだ健在だ。
文:丸山亮平
写真:府川展也