今年４月の来日公演が急遽中止になってがっかりしていたアナタ。グリフはちゃんと日本に来てくれましたよ！レッド・マーキーでのライブはフジ・ロックのポスター裏にマジックで書かれた「すご〜い」「拍手」などの文字を見せたりして、ゆったりのんびりアット・ホームな雰囲気でした。そして、ライブ前、グリフにフェスティヴァルについてちょっとだけ聞いてみました。
ーバンドとソロプロジェクトでフジ・ロックに出ていますが、プレイするときに気持ちに違いはありますか？
音楽的には全然違う曲をやるわけだし、使う楽器も違うからね。うーん、そうだなあ（としばし沈黙）。ソロの時は自分でなにもかも決めて人にこうやって、と指示したりするから、ソロの時はよりメロウな雰囲気と言ったところかな。スーパー・ファーリー・アニマルズの時は結構大規模にフィルムを流したりエレクトリックな雰囲気を出したりするけど、ソロの時はもっとオーガニックなライブだね。どちらで演奏するのもエンジョイしているよ。
ーフジ・ロックと他のフェスティヴァルの違いを言うとしたら？
フジ・ロックはきちんとしているフェスだね。とてもユニークだと思うよ。山の上でのフェスティヴァルってヨーッロパではあまり聞かないし。ステージ間の移動が結構楽だし、沢山の素晴らしいアーティストの音楽が聞けるし。グラストンバリーみたいな大規模フェスティヴァルだと、行き来が大変なのでライブが見られなくなってしまう時があるけど、そんなことないし。アーティストに身近に会う事が出来るのも良いね。
ーところで、今年のラインナップで注目のアーティストはいる？
Four Tetには３年振りくらいに会ったんだ。でも、今晩東京に戻るからライブは見られなくて残念だな。今晩のレッドマーキー深夜はどれもいいね。あと、Deerhoofは自分のライブの後だし絶対に見る。沢山アーティストがいるね。あと、The Pains Of Being Pure At Heart。Kaiser Chiefsとは９月に一緒にツアーやるよ。あ〜、Manu Chao・・・。全部みてみたいな（笑）
ー初のフェスティヴァル体験を教えてもらえますか？
１６歳の時にグラストンバリーへ行ったのが最初だよ。ヒッチハイクで行ったんだ。良いバンドが沢山出ていたね。Felt、New Order、Superfunk。Elvis Costelloが場内を歩いているのを見たよ。素晴らしい体験だったな。
当時のグラストンバリーはワイルドだったよ。今みたいにフェンスがなかったから全体のお客さんの半分くらいしかチケット代払っていなかったんじゃないかな？ほぼフリーなフェスティヴァルとでも言うか（笑）色んな怪しげな人達がいてね。怖かったかって？若かったから全然。むしろ興奮しまくってたよ（笑）犯罪も多いと言われているけど、自分にとってはピースフルなフェスティヴァルだったよ。
それと、１９歳の時にレディング・フェスティヴァルのチケットがペアで当たって、友達とヒッチハイクして行ったんだ。当時はお金もなかったから家から沢山のパンとベイクトビーンズを持って行って。レディングでも色々見たよ、Spaceman3、My Bloody Valentine、Butthole Surfers・・・。色んな音楽を体験したけどちょっと商業的だったから全体的には良いフェスとは思えなかったな。
そういえば、そのレディング・フェスティヴァルで一緒にキャンプした友達がテントの近くのキャンプファイアの側で寝入ってしまってさ、目が覚めたら彼の服に火が燃え移っていたんだ！もう、映画のワンシーンみたいにぐるぐる転げ回って火を消したよ。でも、火傷を負ったりはしなかったね（笑）
ーでは、最後の質問です。あなたにとってフェスティヴァルで重要なこととは？
自分の気持ちを一定にしていること。色んなことを気にかけすぎると音楽の大事な部分が見えなくなって、楽しめなくなる恐れがあるけど、フェスに行く前に気持ちを落ち着かせて、細かいことは気にせず楽しむ。そうすればいいのさ。
うーん。深い。楽しまなければフェスティヴァルに来た意味がない。当たり前だけど忘れてはいけないことですね。
最後にグリフにチャリティバッヂをプレゼント。バックで演奏してくれるY Niwlの面々にも、ということでご満悦の一枚となりました。
文・写真：熊沢泉 (Supported by Nikon)
