WU LYF

Red Marquee | 2011/07/30 13:21 UP
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白い覆面集団の正体は白いTシャツ集団

 青田買い好きフジロッカーズ注目のバンド、WU LYF(「ウー・ライフ」と読みます)が、2日目のレッドマーキーに登場。マンチェスターをベースに活動する4人組のバンドで、国内外で注目を集めるも、ほとんどマスコミに登場することがなく、アーティスト写真は白い覆面で顔を隠したり後ろ姿だったり。公表されている情報があまりにも少ないため、「本当にいるの?」という怪しげなうわさまで出回るほどの「謎の集団」。

 フジロックの公式サイトにもアーティストデータはいっさいなし。いったいどんな人たちだろう? とドキドキしていたら、覆面なしであっさりとステージに現れた。あ、ライブの時は覆面なしなのね。顔を隠したままじゃ演奏できないだろうから、当然といえば当然だけど。白い覆面の代わりに(?)、みんな白いTシャツを着てさわやか〜。ピリピリした雰囲気もまったくなかった。

 ライブ開始直後から、期待通りのWU LYFワールドが展開する。地元では教会で活動している彼ら。パイプオルガンを思わせる重厚な音色が、マーキーの空気をおごそかなものに変えていく。WU LYFは自分たちの音楽を「ヘヴィーポップ」と呼んでいるが、ハスキーな声をしぼり出して歌うさまは「ポップ」というより「エモーショナル」。どこか影を背負ったむき出しの感情が胸に迫る。音の荘厳さと相まって、祈りを捧げているようだ。

 ボーカルのElleryは普通に話すときも相当のしゃがれ声でトム・ウェイツみたい。乏しい英語力ではほとんど聞き取れなかったが、長々と曲紹介をしたり、「アリガト」とくり返したり、よくしゃべる。他のメンバーも、手拍子やコーラスをうながして、オーディエンスに歩み寄り、一緒に空間を作っていく。最後にはステージ前に置かれた機材に飛び乗り、晴れやかな笑顔を浮かべていた。ああ、この人たち、こんなに笑うんだ、とびっくり。

 知名度はまだ低いけれど、WU LYFは今後、日本でも人気が出るに違いない。今回のフジロックは、これからの彼らの活躍を語る上での最初の一歩。ファーストアルバム「Go Tell Fire to the Mountain」が今年7月にリリースされたばかりでもあるし、ここはぜひ、そう遠くない未来に単独公演で来日してもらって、もっともっとすごいであろうWU LYFワールドを見せつけてほしい。


写真:古川喜隆
文:堀内里美
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