モンスターとなって帰ってきたデジタリズム~赤テントを揺らす編~
「やっぱり好きだぁ~この手の音!」後ろの女子2人組が破顔の笑顔で悶絶しているのを見て、思わず噴き出しそうになったが、同意。昨日のシスターズが嘘のような人で溢れかえるレッド・マーキー(シスターズ…悲)
2007年、レッド・マーキーはどのステージよりも輝いていた。ジャスティス、シミアン・モバイル・ディスコ、デジタリズム。この夜の盛り上がりは尋常じゃなかった。これ以上は入れない!という過去最高とも言える人並みがレッド・マーキーに押し寄せ、深夜まで一向に人の減る気配もなく、テント外まではみ出た人までも巻き込んで爆発的に盛り上がっていた。
そして2011年、このドラマティックでロックとレイヴが無理なくミックスされたステージはどうだろう?『I LOVE YOU DUDE』のアルバムジャケットに使用された、ハートが3つ並び、リズムにあわせて脈打つ。ポップで、どこか手作りっぽい感覚がデジタリズムらしいビジュアルも秀逸。本人たちを含め、カッコイイ!お洒落!というより、どこか親しみのあるダサかっこよさがデジタリズムの魅力…と言ったら怒られてしまうだろうか?業界きってのお洒落レーベル、キツネ所属でありながら、ジャスティスやダフトパンクとは違う。モンスターのごとく成長しているデジタリズムだが、このお隣さん感覚についつい手が伸びてしまうのだ。
歌モノとインストが程良く混ざり合うステージは観客を踊らせ歌わせ、五感を満たしてくれる。“I want I want”のWhat do you say?のフレーズでマーキー大爆発!後ろの女子ふたりが相変わらず、好き!好き!を繰り返していて笑えるが、その声も歓声にかき消されて聞こえなくなった。この盛り上がりは既に2007年を超えた?このまま行けば、グリーンステージ、ケミカルのポストは確実。今年は赤テントを揺らしたが、次回はグリーンステージの地面をグラグラさせてほしい。星空のもとの”Pogo”で踊ったらさぞかし気持ちいいに違いない。2011年は間違いなくデジタリズムが大きく飛躍する年になる。フジロック後の単独公演も見逃せない!
写真:古川喜隆
文:mimi