REGGAELATION INDEPENDANCE

Palace Of Wonder | 2011/07/31 01:30 UP
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東京発ジャマイカ経由全世界行き

レゲレーション・インデペンダンスは、ソウル・ディメンション、タフ・セッション、リディメイツなどなど、東京のアンダーグラウンドで展開するスカ系のバンドのメンバーが集まって結成された。

「レゲエ」という言葉が入っていても、ジャマイカばかりにかぶれているわけではない。それは、接点を創ったきっかけとしてのジャマイカであり、言ってみれば、『東京発ジャマイカ経由全世界行き』といったところか。

まず先に「ジャマイカ」という線でつながった様々な人間がいて、それぞれ好きな「匂い」をセッションに持ち寄って演奏するうちに形作られた、何かを目指して生み出された訳ではない、「突然変異」のようなバンドなのだと思う。それだけに、ライヴそのものが、盛大な実験の場ともなり、決まりきったルールから逸脱できる狂乱の宴を展開することもできる。

アフロやファンクといった大陸の黒いリズムを立ち上らせる中にも、レゲエやスカから引っ張ってきたアレンジが光る。ダブに影響されたサイレンなどの効果音も、フロアに蒔かれた火種に油を注いでいる。それだけではなく、ラテンの色香を発し、曲の切れ間もパーカスで繋いだりと、音を途切れさせるということをしない。

“ブラック・スティール”では、硬く張ったドラムのショット、どこまでも深いベースライン、カッティングで突っ走るギターに、踊るようなパーカス、そして、ホーン隊の連続したスタッカート(細かく切る音)がオーディエンスの心を燃え上らせていた。

連想したのは、筆者が生で経験することのなかった「じゃがたら」だ。強烈な個性を持ったヴォーカルこそ居ないが、その音は聴いた者の脳裏にくっついて離れない。

パレス・オブ・ワンダーの担当者に彼らをブッキングした「いきさつ」を訊いたことがある。

「友達のイベントに遊びに行ったら出ていて、即決した」とのこと。

まったくもって異論無し。即決させるだけの力を、彼らは持っているし、もっともっと知られなければいけないバンドだ。夜のイベントだけではもったいない。知らなくとも、浴びれば体が反応してしまう音。そんなバンドが、21世紀の日本から出てきたことに、喜びを感じる。


文・西野太生輝
写真:府川展也
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