ATARI TEENAGE RIOT

Red Marquee | 2011/07/31 04:00 UP
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ATR、苗場にお帰りライオット!!!!!!!

 

「1997 1st Fujirock!!!!」「1999 Naeba Fujirock!!!!!」

「 ….and 2011!! ATARI TEENAGE RIOT!!!!!」

アレックのこの言葉で胸がアツクなったフジロッカーズも多かっただろう。

 始まる前から会場はまるで何かの決起集会?と思えるような活気に満ちていて、このまま前方に飛びこんだら怪我必至では?というヤバい状態。しかし、3本のフラッグがバンバン振られているのを見たらテンションも上がるというもの。“Activate”で幕を開けた12年ぶりのATRに、待ちわびていた観客が一斉に化学反応を起こす。会場ははやくもカオス状態でATRの旗が振られる客席をアレックが煽る、煽る。ニック・エンドーが叫び、CX・キッドトロニックが鉄骨によじ登りながらアジる。

反政府、反ファシズム、反ナチを標榜してきたATR、今回の日本でのライブには色々と思うことがあったようで、アレックの「Now is the time to play the show in Japan!」に歓声が上がる。「今こそ日本でプレイする時だろ!」という言葉が胸に響く。「ドイツもアメリカも日本の政府も嘘ばかりだ!」続けて「Are you ready to testify?」とMC5のフレーズを連呼。準備は出来ているか?You must choose, brothers, you must choose. そう、私たちは選ばなければならない。

“Too dead for me”ではステージダイブが起こり、”Speed”ではマーキーの後方まで埋め尽くされた観客の拳が一斉に上がる。汗だくの暴れんボーイズがぶつかりあい、モッシュピットが拡大していくエクストリームな光景は壮絶ながらも爽快感がある。岡本太郎だって言ってる、「芸術は爆発だ」と。最近のフジロックではATRのような、針が振り切れる瞬間最大風速のアクトにお目にかかってなかった。会場の爆発具合から察するに、皆が待ち望んでいた事が良く分かる。”Atari teenage riotⅡ”では会場中が笑顔でジャンプジャンプ!ニック・エンドーの切れのある動きとヴォーカルが心地いい。アレックがタイタニックポーズからゆっくりと体を観客に任せていく。まるでマイケル・ジャクソンのスムースクリミナルみたいな角度で…凄いな背筋。その間ノイズはなりっぱなし。

 以前はノイズがステージ全体を凌駕していた印象だったけれど、新生ATRとなってからはより音楽的広がりを見せているようで、そのテンションの違いに時折観客がついていけない様子があった。以前のノンストップ・デジタルハードコアノイズと少々勝手が違ったのかもしれない。個人的にはドラマティックさを感じる今回のステージは大歓迎。

”Revolution Action”のイントロで会場は歓喜の声に包まれる。もう、本当にここでまたこの曲が聴けることが嬉しい!誰もが笑顔で暴れまくっている。ATRのメッセージを受け止め、彼らの生きざまに共感する。放出するとともに「何かが残った」と感じる心地よさ。再結成時にはまさかと思ったけれど、この日のATRは、まさにレッド・マーキーの大トリ、フジロックの3日間を締めくくるに相応しい迫力と充実のステージを見せつけたのだった。

 

 

 


写真:深野輝美 (Supported by Nikon)
文:mimi
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