クリックすると写真が切り替わります伊達男たちの、聴かせる＆効かせるアクト
さてさて、泣いても笑っても、今年のフジロックもあとわずか。グリーンステージではスペシャル・ゲストのTHE MUSICのアクトも終わり、残りの体力を最後のダンスパーティーで打ち上げるべく、フジロッカーズが続々と深夜のレッドマーキーに集まり始めていた。
深夜01：30過ぎ。その名の通り、まさに「踊って死ね！」と言わんばかりにミスター・デスジャズ、「SOIL＆"PIMP"SESSIONS」がステージに現れた。キーボードの丈青は粋な着流し姿。胸に手を当てポーズをキメる、アジテーターの社長。たちまち会場内に満ちる伊達男の色気とともに、演奏がスタートした。
お互いの楽器でしのぎを削るような演奏は凄まじくスリリング。フジロック三日間の疲れも眠気も完全にブッとばして、完全に覚醒状態へと導いてくれる。"閃く刃"ではトランペットのタブゾンビ、サックスの元晴がそれぞれステージ上のモニターに上がり、管楽器のわななきを炸裂させ、さらにはステージを降り最前柵に上り、観客を煽っている。ベースの秋田ゴールドマンはステージ前の最前線に躍り出し、スティックで弦を叩きながらビートを響かせている。
「この三日間、最後まで楽しみ、ここに足を運んでくれてありがとう。この三日間で出た音全てに、敬意を表します。新潟のみなさん、僕らにこのステージを与えてくれて、ありがとうございます。東北のみなさん、僕らにこのチャンスを与えてくれて、ありがとうございます。世界の皆さん、ニッポンはまだまだ負けてねぇぞ！」
社長がこう煽ると、会場中から大歓声が上がる。笑顔と愛。社長はこうも言っていた。ライヴも佳境に達すると、「ここで、お迎えしたい友人がいます。僕らから、一歩前へ踏み出すために、みんなと共有したい一曲。」社長がこう語りながら迎え入れたのは、フジロック二日目にジプシー・アヴァロンに出演してくれたMaia Hirasawa。演奏されたのは彼女とのコラボレーション曲"MOVIN'"。終始気合の入ったアクト、そして強い意思を持ったサウンドが疲れた身体に心地良い「喝」を入れてくれるのだった。そして、フジ最終日の夜は、まだまだ更けてゆくのだった......。
写真：近澤幸司
文章：小田葉子
